ニアは正論。但し外部の人間だから言えることで、ヨーコもシモンも言われていることは解ってもそのまま動くことはできない。シモンがゴンゴンゲージ下がってるのをヨーコがフォローしてる。ヨーコも内部の人間側の切実な訴え。シモンは自分への情けなさが充満している状態でニアには何も言えない。ヨーコが居ないと辛かったろうし、彼女もそれを解ってフォローに来たっぽい。「知らないよ」「ニアの所為じゃない」
シモンの願いに反応しないラガン。結局、ここで生身で走っていくっていうのはニアを救おうという強い思いであると同時に9話でのドリル片手にガンメンに対抗しようとした自暴自棄の焼き直し。「生きようとしていない子」であるシモンに、ラガンは力を貸さない。
あるいはラガンが力を貸さないのは、今のシモンは別人(兄貴)に無理矢理なろうとして自分自身を捨てているからか。ラガンはシモン本人を選んだ。だから、他の存在になろうとしているシモンでは駄目、と。
兄貴はトラウマに囚われているシモンを動かした。
11話で、父親と地上に拘るカミナにもっと視野を広く持たせた(=あの背中に恥じない男になろう)のがシモンだということが語られる。
どっちが欠けても、二人は立ちあがれなかった。
道を造るって言ってた子が道を見失ってるこの皮肉
ロシウへの罵倒シーンは意味深
ロシウの神はかつてロシウにとって生きる指針そのものだった(今はかなり吹っ切っているのかな)。一方、シモンは生きる指針だったカミナを失った(全然吹っ切れていない)。
以降逐一ロシウがシモンの助けになろうとしているのがなんとも…
大グレン団になってから加わった面子との温度差表現が生々しくて良い。
彼等の目的は地上を人間のものにすること。だからリーダーのカミナがいなくてもその目的に邁進するのみ。ヨーコもその必要性を解っていて、だから無理矢理前を向こうとするけどやっぱり囚われている(「グレン団じゃなくて、大グレン団!」)。シモンはグレン団のことは考えられていない。…そもそも、シモンは割と戦闘理由は個人的な問題を扱っていた(兄貴を死なせたくない、親の敵、etc)。兄貴ほど視野は広くない(代わりに現実的)。
ところで、獣人との戦争に勝利or和解したとして、その後の大グレン団はどうなるのか?
そもそも集合した目的は地上を手に入れることなので、そこを果たしてしまったら一時解散する可能性がある(月へ云々はカミナとシモンの約束=グレン団の目標であって、大グレン団の目標ではない)。
となると本当に2部でシモン行方不明→3部冒頭で帰還(成長)は有り得るのかも。
シモンは他者からカミナを奪った自分を責めることでカミナを失った自分という存在に眼を向けることから逃げている?いやこれは穿った考え方か。
カミナはとにかく満足していて、自分がこれ以上失わずに死ねたことが酷く嬉しかったんじゃなかろうか、と。そう言う意味では我が儘かつ酷い人だ。
カミナは兎に角前へ、被弾も気にせず気合いで勝負。当然、いつでも崖っぷち。
一方シモンは撤退も視野に入れ、かつ戦略を練って戦う。
これはグレン団を担う一代目のカミナがカリスマ性を持って人を集め、二代目のシモンが組織を運営していく能力を持つということを表現しているのでは。
…ああ、「月へ行こうぜ」はFly me to the moonか!
兄貴がCry for the moonにならないことを祈る。
地下世界から出てきたカミナにとって、暗闇を照らす月の方が明るい地上を照らす太陽よりも魅力的に移るのかもしれない。
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