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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.11.25,Mon
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2010.06.19,Sat

Cry For The Moonの美紀さんがこっちにいらしてたので飯をご一緒させて頂きました。
ほぼ風邪も治った管理人です。
あとは鼻と喉だけだ!(そしてその喉でカラオケに行ったという暴挙)(美紀さん本当色々済みませんでした…)

書いた書いたゆーてもセットになる話がいつ書き上がるか解らんので、めのこの次のシーンをオマケでつけておきます。
キタンがどういう動きをしてたかについての説明が無いんですが、ヨーコとの話でフォローできればと。
ちょっと書きたいキャラが多すぎて収集ついてない感があります。



そのうち正式にコンテンツに組み込む予定です。



ギ、と金属製の寝台が軋んだ。ブチブチと無様な音を立ててチューブが千切れ、或いはそれより早く引っこ抜ける。上半身を立てるだけに留まらず腕を頼りに更に力を込めた身体は全ての拘束を打ち破って台から転げ落ちた。獣が人へと進化していくのに酷似して、四つん這いから前のめりに立ち上がる。
そして彼女は、シモンは、特別医療施設の扉を"こじ開けた"。厳重にロックされた左右の戸の隙間へ指を潜り込ませ引き裂くように道を造る。のたりのたりと千鳥足に近い歩みが次第に床を強く踏みしめるものになっていった。
それを受けて地下管制室に大きくアラートが鳴り響く。生体コンピューターと向き合っていたロシウは血相を変えた。彼女の頭を掠めたのは勿論収容者の脱走などではなく、侵入者の方だったのだが、キノンの声がロシウの思考を塗り込める。
「監視映像、出ます!」
壁にいくつも並んだモニターに様々な角度から映し出されたシモンの姿が映る。治療の為の簡素な衣服の下、人工皮膚が剥げて機械が剥き出しになった素肌やチューブの残骸が覗いていた。うつむき加減に歩みを進めるシモンの表情は見えない。
「シモン……さん……?」
呆然と呟く間にもシモンは足を踏み出し、その牛歩は手近なエレベーターの前に進み出た。そして彼女の手は、細く女のものにしか見えない手は、無造作に重厚な扉を引き剥がす。上下を繋ぐ穴の中へ飛び込む姿を最後にシモンの足取りは追えなくなった。
「警備兵へ伝達! 装備を鎮圧用に切り替えて、シモンを気絶させなさい!」
誰もが冷静さを失う中、厳しい叱咤の声が上がる。滅多なことでは声を荒上げないリーロンだった。
「リーロンさん!」
ロシウの非難の視線をリーロンの論理的な瞳が受け止める。
「シモンは普通の状態じゃないわ。かといって普通の麻酔じゃあの子には効かない。
 スタンガンでも使って、強引にいかないと無理よ」
冷たいようだが正しい言葉にロシウは反論できず、ただ拳を握った。その間にシベラが状況を報告する。
「カメラ、足取りを捕捉しました!
 この先は研究用格納庫です!」
研究棟の地下に此処、生体コンピューターの為の施設があるのと同様に、螺旋力研究のため同じ敷地の中にガンメンが収容されている区画がある。エレベーターと通気口を使いシモンはいとも簡単に隠された中枢へと肉薄した。当然だ。この七年間、彼女は血道を上げて絶望を回避する術を探ってきた。この棟は彼女の巣に等しい。
格納庫の扉は入室者がシモンであることを認識すると当たり前に彼女を受け入れた。ぺたり、と素足が広く冷たい床の上に落ちる。虚ろな瞳が居並ぶ大グレン団のガンメン達を映した。
「シ……モン?」
彼女の視線の埒外で、けれど確かに視界の中で男が頬を引きつらせる。ムガンの出現で己等の無能を晒した者たちが、せめて出来ることをしようとこの場に集まっていた。救助に使うためガンメンの封印を解こうとしたその首謀者、キタンは惑う口調で現れた娘の名を呼ぶ。
けれど、それに応えが返ることはない。ゆるりと、青白くところどころ白銀の煌めきを晒す腕が持ち上がった。そして次の瞬間、灰色の瞳に緑の光が渦を巻く。それと同時にその場のガンメン全ての瞳に光が灯った。
「なっ……!?」
開封に手間取っていた乗り手が慌てふためく間にもガンメン達は自力で拘束を壊していく。少し前にシモンがそうしたのと同じように。
唖然とする男達とモニターの前で同じ反応を示す者達の中で、ロシウとリーロン、キタンだけが叫んだ。
「シモン!」
うっすらと緑の光の膜をまとったシモンはそれでも仲間達の声に耳を貸さない。彼女が前へ足を踏み出せば忠実なガンメンたちはそれに続いた。十数体のガンメンが一斉に壁へと攻撃を加え、夜空が露わになる。
「どこ行く、シモン!」
非現実的な光景を前にして、キタンがいち早く覚悟を決めた。腰に吊していた銃のロックを外し、シモンへと狙いを定める。今まさに境界を越えようとしていたシモンが、ちらりと視線を投げた。
「決まってる」
彼女の唇に気を取られていたキタンはキングキタンが迫っていることに気づかない。長らく相棒であったガンメンの一薙ぎで、いとも簡単にキタンの身体は吹っ飛んだ。壁に打ち付けられずるりと腰を落とした彼に仲間達が慌てて駆け寄る。息も辛い様子のままキタンは歪む視界でシモンを見据える。
「兄貴のところへ」
無表情だったシモンの顔がほころぶ。その視線はすぐに夜の街へと向けられ、シモンとガンメンたちは軍行を開始した。
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