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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.05.03,Fri
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2009.10.19,Mon
水曜昼までに出さなきゃならない原稿がある(一応雛形は出来た)が、どうも興が乗らない。
テンションコントロールが下手な管理人です。
リクエスト企画ものそのそ書いているんですが、どうも上手くいきません…。
今回はその残骸を晒してみようかと。
グレパラRPGネタの冒頭部分(だったもの)です。
こういう説明部分を削って酒場のシーンから書き直そうかなー。

螺巌篇DVD、1月発売キタ! やっと来たよォオオオオ!
…再び店舗特典探りの日々が始まる…ッ
でもこれでやっと天元突破戦リピートが出来るんだ、出来るんだね…!






「変わらないといえば変わらない……うん、いや、変わらないな。
 たぶん」
どうも煮え切らない言葉を口にしながらも、藍色の髪を揺らしながら何度も頷く。
曖昧な言葉に対して傍に控えた金髪の騎士はそうですか、とやはりどうにもどっち着かずな応えをするしかなかった。
「ああ、えーと……その言葉遣いは外ではよそう。
 目立つんじゃないかな。きっと」
藍色の髪の、赤い外套の、腰に剣を一本吊した……男と書ければはっきりしていて良かったが、外見上は男か女かどうも曖昧な主は肩を竦める。
「解っ……た」
こちらは一目で男と判る重装騎士は言いづらそうに言葉尻を直した。
「ヴィラルは先に屋敷へ行って休んでくれてていいよ。
 俺は少し街を見てくるから」
湖畔の街を見下ろす丘の上、屋敷と言いながら剣ダコの出来た指が湖岸にある家を指し示した。街の外れにありながらも、だからこそなのか美しい佇まいの館だった。
手入れが欠かされていないのを見て取りつつ、ヴィラルと呼ばれた従者は眉を潜める。
「人探しならここの長に尋ねれば」
一人で動くことを懸念するヴィラルの言はやんわりと却下された。
「それも考えたんだけど、あまり目立ちたくないというか」
ああ、なるほど。昔の馴染みに対して“呼びつける”という偉ぶった態度を取りたくないのか。察したヴィラルはそれ以上口を挟むことを止めた。
 運のない方なのだ───後を追って丘を下りながら、ヴィラルは旅装の主人について考える。
今世の陛下の御落胤としてひっそり生を受けた、それがこの王族の生まれだった。そもそもは陛下が別宅のひとつにて御休息の際、領主が接待として娘を差し出したのがことの始まりという。
その頃既に王には正妻との間に男児が生まれていた。妊娠が発覚した時点では、王家の無用な混乱を避けるために母の私生児となるのが当然の流れだった。
ところが、十年ほど前に王都では伝染病が流行ってしまった。城の奥で大事にされてきた王子は、それで呆気なく夭折したのである。
泡を食ったのは誰だったか。
少なくとも数々の政治的思惑があったのは確かだ。
かくしてシモン、という名の子どもが王族に名を連ねることになった。
こんなことでもなければ、静かに湖岸の街で一生を終えた筈の人が。
だが所詮王族としてのシモンという子は繋ぎのようなものでしかなかった。
王には正式な後宮があり、速やかに二人目の正妻が迎えられ、そして姫君が生まれた。
かくしてどうも出自に難のあるシモンはどうも宙に浮いた存在となってしまったのだった。
幸いだったのは──誰にとって?──シモン自身は権勢欲というものがなかったというところだろう。そのまま大人しく過ごすことに不満はなかった。城の片隅に追いやられようと別段文句を言ったこともない。
ただそんなシモンを大いに気に掛けていたのが誰あろう、妹姫にして王位継承第一位のニア姫様だった。
楽しくもない勉学、行儀作法、剣の稽古に明け暮れるしか暇の潰しようがないシモンを気の毒に思ったのだろう、久々にお母様の故郷を訪ねては如何ですか、とまあ休暇の提案があったのである。
シモンに是非はない。城の人間としてもシモンの存在は影に似て、居なくて困るものでもない。
そんな経過でニア姫お気に入りの侍女の夫であるヴィラルを供にシモンは幼い日々を過ごした街へとやって来る運びとなった。
懐かしいというのはあるだろう。
だが街に近づくにつれ、いかにもそわそわと落ち着かな気な様子になっていくのをヴィラルは見逃さなかった。
故郷とはいえ過ごしたのは七つにも満たない頃まで。育った館は残っているが、母である人は既に亡くなっている(シモンと共に王城へ上がったが、生来体が弱かった彼の女はほどなくして病に倒れた)。
単純に城から離れることで解放感に浮かれている、という訳でもなさそうだった。
ヴィラルが故を知ったのは、街にはもうあと二日で着こうという段になってからだ。
「人に会いたいんだけど」
出来れば自分一人で。
言われて、護衛としては何色を示さざるを得ない話だ。身分を隠しているとはいえ領主には顔を見せるし、そうなれば嫌でも王族が街に来ていることは噂に上がる。でなくても何があるか解らないのが世の常だ。できれば常に側に居るべきなのは理である。
シモンもその理屈は解っていたのだろう、腰を落ち着けての交渉が歩きながら一日中続いた。
曰く、相手は所謂幼馴染みという存在らしい。
「たぶん向こうはヴィラルが居てもそんなに気にしないとは思うけど……」
積もる話もあるし、(そんな邪知をする人ではなかったけれど)護衛を連れることで無駄な警戒や遠慮を呼びたくない。それがシモンの言い分だった。








これ書く前にもう一個没にしたのがあるんですよね。
こっちも結局設定語りって感じでつまらんのでゴミ箱ゴミ箱!


小さな頃、俺は湖畔の屋敷に住んでいた。
そこが「やんごとなきおかた」の建てた別荘だということは村の子の話から解ったし、おいおいその「やんごとなきおかた」こそが自分の父なのだろうということも朧気に理解はできた。
体の弱い母は窓辺に座り、いつも遠くを見ている。
その向こうにきっと「やんごとなきおかた」が居るのだろうと俺は漠然と思っていた。
そして母が「やんごとなきおかた」程には俺を……いや、「やんごとなきおかた」以外は愛していなかったであろうことも。
母も、この地方の領主の娘だった。私生児を抱えていては体面が悪い。しかもそのお相手がとなると嫁の行き手は無かった。
尤も、そんなものを悠長に待つだけの時間は母には無かったのだけれど。
ある日突然──と俺には思えたけれど、「やんごとなきおかた」の正妻が亡くなったのだ──迎えがやってきて、俺と母は湖畔の屋敷から城へと移された。
国で一番の医者をつけられ、母は……城の奥で死んだ。
湖も森も野原もない場所で、冷たくなった。
妾の行く末としては最上だと口がさの無い侍女が言うのを聞いた。そうなのかもしれない。母にとってそうだったのかはともかくとして。
母という傘が無くなり、俺は遂に「やんごとなきおかた」の継承8位となったことを教えられた。欲しくもないものばかりが増えていく。
ただ屋敷で母と暮らして行ければ良かったのに。
俺は、あの湖畔の屋敷に帰りたかった。
村長の目を恐れぬ男の子が一人いて、いつも寂しくしている俺のことをよく構ってくれた。どこからともなく抜け道を探し出しては山の散策に出かけ、川遊びもしたし、釣りの真似事もした。
輝いていた日々は、遠い。
相応しいものをと宛がわれた衣服も教育も窮屈で、それでもこなさなければ居場所は無かった。
しかも神の賽子の皮肉さか、継承6位までに居た男児が次々と亡くなった。一人は怪我。一人は溺死。一人は病死。一人は落馬。一人は事故。最後の一人は、頭が弱いから、わざと毒殺された。
そうして継承1位は正妻の最後の子、ニア姫へと譲り渡された。
いずれニア姫は隣国の王と婚姻を結ぶだろう。
……俺はなんだろう。
「やんごとなきおかた」の命のまま勉学をし、男のように鍛錬をし、なにを目当てにこのような形で育てられたものか。
とんと解らでいた俺には、大臣からの「見聞の旅」というのが酷く魅力的に聞こえた。
本来はゴタゴタした宮廷内の掃除をするため、まずは二派に別れないよう片方を潰す。旅の期限が定まっていないのがいい証拠だ。
だけど半端物の俺には丁度いい。
俺は最小限の荷物を担いで、城の裏口から朝早く立った。
共につれたのは、村の頃から一緒のブータだけ。
口うるさくしてくれた騎士のヴィラルは妻子がいるし、天才司祭と呼ばれるロシウはまだ長旅には辛い年齢だ。
なにより、ひとりでいる方が気楽でいい。
足は独りでに、あの湖畔へと向かっていた。
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