飯は喰いたし、眠気は強し。
そんな感じののらくら雑記帳。
Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2009.02.09,Mon
螺巌篇はどう考えても総司令部分を巻いていかないと無理→でも義父上戦を飛ばすわけにもいかんはず→じゃ、アバンでVSロジェさん・タイトル・いきなり鉄格子がガシャーン!でどうだ?
などと全く意味もなく、螺巌篇がどう編集されるかについて思いを馳せている管理人です。
いやあ、前売りチケットも売り出され始めたとなると何となく気持ちも盛り上がってきますねー。
ただリボルテックヨーコ付きはすごく迷ってます。銃器が充実してるしフロイラインの中でもヨーコは顔の造型が可愛い方だし、ブータもつく…けど結局ヨーコ単品じゃなあ…という悩みの種。
昨日のオマケ、朝NGより指摘を貰った部分については修正をかけました。
「昼にしか活動しない」の「しか」が抜けてたんですな。
ちょっとの抜けで意味が変わる言語の恐ろしさ!
ていうか文章書きの癖に凡ミスが多すぎです…昔の文章見直すと毎回打ち間違いが見つかるんだよ…。
今回もリクエストにお応えする形でオマケ付きです。
バレンタインにちなんだチョコレートネタになります。
でもこのネタ、実は二年前にメモったネタなんだぜ…ネタを寝かせ過ぎて腐らせているのが常のメシネムです。
リクエストでいただいたのは「バレンタイン」というお題だったのですが、結果的に「チョコレート」という内容になってしまいました。すみません!
小さなシモンとロシウにチョコレートという甘味を届けるという役目だけは果たせたかと思います。
話自体に甘みはないんですが…ッ。
大量の知識を詰め込まれ、処理能力の限界を超えた脳が身体に休めと指令を送る。眠りに誘おうとするその信号にどうにか反抗しながら文字の書き取りを終えたシモンの代わりに、机の上に丸まっているブータが暢気に欠伸をした。小さな生き物の動きが面白いのか、幼い双子がお尻の星を突く。
その隣ではヨーコとロシウがシモンよりもやや高度な内容をリーロンから習っていた。ではこの集団のリーダーであるカミナはというと、豪快ないびきを立てて木の上で眠っている。寝涎さえ垂らすだらしなさにヨーコが辟易していたのも少し前の話だ。
今ではお馴染みとなったお勉強の時間。だが、その日一段落を迎えた時、リーロンはいつもとは違う言葉を口にした。
「頭を使った後にはね、甘ァいものがいいのよ」
ウィンクをして、機械を扱うとは思えない程きれいに整えられた指先が茶色いものを懐から取り出す。まるで手品のような鮮やかな手つきにぽかんとする子ども達の前で、リーロンは手際よく薄い板を割った。
「それは、なんですか?」
知識欲そのもののようなロシウが問いかけると、勝手知ったるヨーコがちょこれいとよ、と教えてくれる。
「…ちょこれいと…?」
地上に来てもう幾つめになるのか、初めて出会うものの名を口にしてシモンは首を傾げた。その目の前にリーロンがまるで土の塊のような姿をしたものを差し出す。
「はぁい、どうぞ」
渡され、受け取ったものの反応に困ったシモンは仲間達の様子を窺った。取り敢えず、当たり前のように口にしているヨーコの様子からこれが食べ物だということは解る。ロシウは左右から双子の騒ぎに挟まれながらも、興味深そうに塊をためつすがめつしていた。
「えと、ありがとう…」
礼を言うと二度目のウィンクがシモンに向けられる。未だに慣れないその仕草に少し頬を引きつらせつつも、新たな品物に眠気を吹き飛ばされたシモンはヨーコの真似をして端っこをかじった。途端、口の中に知らない味と匂いが広がっていく。甘くて、でもほんのちょっぴり苦い。リットナーで初めて飲んだコーヒーに似ているその苦みが甘さを増しているようだった。
おいしい。
初めての味に眼を瞬かせる友人を見てブータが声を上げる。慌てて分けてやろうとすると、先にリーロンが板の余った部分を小さな口元へ差し出してくれた。あんぐり開いた口がもぐもぐちょこれいとを咀嚼する。幸せそうに揺れる尻尾は、お目にかかった食べ物を気に入った証拠だ。
もう欠片だけかじってからシモンは大切にちょこれいとを手の中に包む。勉強の席から立ち上がった彼を見て、ヨーコが放っておけばいいのにと呆れた声を上げた。
それでもやはりシモンはちょこれいとを独り占めしておくことができない。片手にぎゅっとちょこれいとを握りしめ、彼は小走りにカミナの眠る木へ近寄った。
「兄貴!」
呼ぶ声に、鈍くカミナが身じろぎする。このまま呼び続けても目覚めてくれるかもしれないが、早く自分の出会った興奮を伝えたくてシモンは片腕と肘を使って幹に捕まった。さして高くはないカミナの眠る枝の根本に座り込み、弟分はカミナを揺さぶる。
「兄貴、兄貴!」
もともと周囲の気配に鋭い男は、何度か揺らされて眠りにしがみつくことを諦めた。ふぁあ、と間抜けな音を立てながら刺青の入った上半身が起きあがる。伴って木の葉が下に散っていった。
木に背中を預け、カミナが体勢を整えるのを待つ暇に自然とシモンの顔が綻ぶ。きっと喜んでくれる、と心を弾ませる弟分に覆い被さるようにして正面へカミナが座った。上背の分覗き込む形になる彼へ、シモンは握っていた手を開いてちょこれいとを差し出す。
「ほら、これ!」
喜色に弾んだ声と共に差し出された掌を、眠気を含んだ瞳が見下ろした。垂れた目尻が眠りを振り払うように一度閉じられる。ゆったりとしたその仕草のあと、続いたのは疑念の声だった。
「…なんだァ?その泥っ玉」
あまりと言えばあまりな言葉に、シモンは眼を向いて自分の手の中を確かめる。
「えっ!?」
そして彼は兄貴分の台詞と自分の掌のおかげで二回分驚く羽目に陥った。確かにあったはずのちょこれいとの板はいつの間にか原型を無くし、べたべたと肌に張り付いている。皺や指の隙間にどろりとまとわりつくそれは、確かにカミナの言うとおり泥そのものだ。
「……」
木からずり落ちそうになる程脱力したシモンの腕をカミナが慌てて掴み引き上げる。がっくりと肩を落とす弟分に首を捻り、カミナはシモンが見せにきたものへ顔を近づけた。穴蔵暮らしでもこうやって珍しいものを掘り当てては見せて貰ったものだと思いだしながら近づけた鼻面を美味そうな香りがくすぐる。
次の瞬間、力なく開かれていた掌がべろりと撫でられた。ブータのような仕草にシモンの背が驚き震える。
「あ、兄貴ー!?」
なにするんだよと狼狽えた反応を知らないふりで、カミナは舌鼓を打った。
「お、なんだコレ。うめぇなぁ」
口内に残ったちょこれいとの名残を味わって、もう一度とシモンの手を掴もうとすると流石に骨張った少年の腕が逃げる。不満そうな顔を隠さないカミナに、くつくつと笑いを込めながらリーロンが告げた。
「お勉強をしなかった子にはあげられないわねえ」
「なんだよそりゃ!」
ぐ、と拳を握ったカミナは自分もご相伴にあずかろうという魂胆で木から飛び降りる。そのせいで揺れる枝の上で、シモンはどくどくと波打つ自分の胸を押さえた。もう一方のまだちょこれいとの残滓がこびりついた掌を眺め、嘗めとろうかどうしようか迷う。
「俺にも寄こせ!」
下で騒ぐカミナを煩いとヨーコが叱る声が遠かった。
どうしよう、あの味をもう一回…いや、そうではなくて、兄貴が触れた場所に俺も。
どくりと大きく心臓が鳴る。口の端から舌が伸び、指へ触れようとした。だが。
「…っブータぁ!?」
木とシモンを駆け上ってきた友達が、あっという間に残るちょこれいとを舐めてしまった。土汚れも奇麗に取り去るその舌は、もうシモンの掌に茶色い後の一筋すら残さない。それが残念なのかどうなのか、解らないでいるシモンにロシウがカミナとヨーコの騒ぎを止めてくれと懇願した。
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