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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.05.03,Fri
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2007.10.28,Sun
うわあ自分の人見知りの激しさもうどうにもならんねこれは!
折角構って頂いたのになあ勿体ねえ

それはそれとしてその時の産物をちらっと書いてみましたよ。
ロージェノムの技術を応用してちっこいシモンを作ったロシウとそれを発見したカミナという状況。
本当に断片ですが。







『僕が君に全部あげる。
 安心して眠れる寝床も、充分なご飯も、平和に暮らしていける世界も、全部、全部』


見知った男の膝の上で無邪気に絵本を読んでいた子供は、扉が開く音に顔を上げた。
その髪の色、瞳の色、面立ち、仕草。
全てに既に居ない人間の面影を見つけてカミナは目を見開く。
言葉を失った闖入者を眺めて幼子が小首を傾げた。
「…あなたは、だれ?」
声にすらも。
懐かしさより先に冷たい電流が背中を駆け抜けた。よろめく足でもどうにか身体を支えカミナは室内へと一歩を踏み出す。だが刺青の腕が伸びようとする仕草を、子供を抱きしめた男の視線が拒んだ。
黒々と、夜とも闇ともつかない色をした瞳がカミナを睨む。同じように赤い双眸も憤怒を載せた。
男達の間に流れる空気のおかしさに気付いたのか、子供は小さな手で体重を預ける相手の袖を握る。怯えた顔が縋って見せたのは、当然のようにカミナではなかった。
「ロシウ…」
か細い、子供独特の柔らかい音が自分を抱く大人に向けられる。それに視線を落としたロシウは限りなく穏やかな声音で応じた。
「…僕に用事があって来た方ですよ。
 シモンは隣の部屋で待っていて下さいね」
シモン。確かにそうと呼ばれた、藍色の髪に灰色の瞳を持つ子供は言われてますます握る指に力を込めた。だが幼児の保護者はゆっくりと立ち上がり、抱き上げたシモンを優しく床に降ろす。
「さ、シモン?」
軽く肩を叩いて促され、戸惑いがちに指を外したシモンは何度も瞬きをしながらロシウを見上げた。しかし逆らうつもりはなかったのか小さな足がカミナが入ってきたのとは別の扉へ向かう。
もう一度子供に目を引き寄せられたカミナを、自動ドアの向こうに消える瞬間子供が振り向いた。その瞳に思慕はない。ただ困惑と不安、そして少量の怒りがあった。大事な相手が幼いままに連れてこられたような姿にただでさえ暴れ出していた心臓がとどめのように脈打つ。
何も考えられず、カミナはロシウに詰め寄っていた。白い、見慣れた詰め襟を掴まえて持ち上げる。いつからか身長を伸ばしたロシウは目元を歪めたものの爪先を伸ばすだけで首が絞まることもなかった。
「テメェ、あれは」
荒れ狂う感情が言葉すらまともに紡がせようとしない。激昂しきった男を冷ややかに見つめてロシウは舌を滑らせた。
「…シモン、です」
一文字一文字を区切るように発音された名に、カミナの肩が跳ね上がりそれからゆるりと力が抜ける。そのままずるずる床へ落ちそうになるのを耐えた彼は、俯きかけた頭を上げて怒鳴り声を上げた。声を粗上げることで自らを鼓舞するように。
「どういうことだ!」
ロシウを掴む代わりに自分の心臓の上に手を置き、布越しに食い込ませた爪でカミナは意識を保とうとした。端的にしか問えない愚かしさを露呈した総司令を、その補佐官が睥睨する。
「クローン体です。テッペリンで亡くなる前に僕がシモンさんの遺伝子を保存しました」
解らせることなど望んでいない説明にカミナが頬を引きつらせた。細かいことは解らなくても、してはならないことをしたのだという事実は理解出来る。
だが断罪を叫ぼうとしたカミナの声を憎悪に染まりきった声が断ち切った。
「…あの人は、貴方の為に死にました」
静かな口調で、けれどあからさまな程の赫怒を滲ませ、ロシウこそがカミナの罪を論う。
「貴方の手を頼って地上に出てきて、貴方の為に死にました!」
叩きつけられた言葉を、否定する材料はなにもなかった。真実だったからだ。
カミナが望んでシモンを地上へと誘い、そしてやはりカミナが望んだからこそシモンは獣人と戦う道を選んだ。その果てにシモンは命を落とした。
テッペリン攻略戦最後の日、カミナの乗るカスタムガンメンをロージェノムの元へ送り込むためにシモンとロシウを載せたグレンラガンはテッペリン城の動力部を奪い取ろうとした。結果的に作戦は成功したが、ラガンを動力炉に接続した後シモンは死んだ。螺旋王との戦いの後訪れた朝日をシモンが拝むことは無かった。
悔やまなかった日など無い。
自分の浅はかな戦略がシモンを死に追いやったのだと考えない日は無かった。
夕陽を眺めるたび初めてシモンと共にそれを見た日を思い出し、朝日を見る度もう二度とその輝きをシモンと見ることもないのだと思い知らされた。そしてその全てが自分の所為だった。
解りきっていた罪、だからこそ触れられることに耐えられない部分にロシウは言葉を突きつける。抉り出した傷痕に、彼は更に刃を食い込ませた。
「貴方がヨーコさんを選んだから、あの人は貴方の為に生きることをやめました!」
思わぬ名を出されて怯んだカミナが一歩下がる。瞬きする赤い瞳が困惑故だと理解してロシウは忌々しげに吐き捨てた。
「それからあの人は、貴方のために死ぬことをずっとずっと考えていた。
 あの人の命の終りは全て貴方の為でした!」
拳を握ったのは発作的な反応だった。それ以上聴きたくないと拒絶した、子供の駄々のような行為。しかしカミナは間違いなく成人であり、彼の一撃は確実にロシウの頭を殴り飛ばした。几帳面に括られた黒髪が解けて広がり長身痩躯が床に転がる。
どさりと投げ出される音に正気に返り慌てて解いた手を見つめたがもう遅かった。
戦慄きながら自分と己の手の平の間に視線を行ったり来たりさせるカミナに、泣きじゃくる声音でロシウが訴える。
「僕はあの人の生きる理由にはなれなかった!
 あんなにあんなにあんなにあんなに、生きていて欲しいと思っていたのに!」
カミナが引き出したロシウの言葉は、男達の相対を子供の喧嘩じみたものへと変貌させた。半身を起こした青年の手が床を殴る。
「僕はあの人を愛していた!愛していたんだ!!」
「…っ」
自分が省みなかったものを今更教えられてどうしろと言うんだ。変えられはしない過去を明るみに出されたところでもう自分に出来ることなど何もない。
愚かしさを指摘されたカミナはまるでロシウを黙らせればそれで過去が帳消しにできるとでも言うように乱暴に白い襟首を掴んだ。もう一度殴ろうと拳を振り上げ、しかし彼がそうすることは許されない。
ロシウを引き摺る腕に温かく柔らかなものが巻き付いた。次いで、服と肌にエナメル質が食い込んだ。筋肉に阻まれ痛みを殆ど与えられないことを知った体温の主は灰色の瞳をカミナに向ける。
「ロシウをいじめるな!!」
甲高い声で精一杯拒絶を示し、幼い少年はカミナの腕を殴った。細く小さな手では効果も無いはずのそれが太い指をロシウの襟首から外させる。おまけのつもりかカミナの足を蹴飛ばしてシモンと名付けられた子供は彼を育てた青年に寄り添った。
「出てけっ!お前なんか嫌いだ!!出てけよっ!!」
否定の言葉を連ね、両腕を広げ、濡れた目で見上げてシモンはカミナを追い払おうとする。その姿をロシウから引き剥がそうとして触れる前にカミナは思いとどまった。嫌われて当然だ。自分が、シモンを殺したのだから。シモンに慕われることをどこかで当たり前に感じていた自分に吐き気を憶え、カミナは逃げるために踵を返した。
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Comments
こんにちはです!
数時間ぶりです!(笑)チャットではありがとうございました!!(ブログコメントからすみませんorz携帯だと拍手表示がなくてあわあわっ)色々とお手数をおかけして迷惑をかけて申し訳ございません…!神に何をさせてんだと壁に頭を打ち付けたくなりますorz何度感謝しても足りません!見せて頂いた小説素敵すぎで感想言いたいのですがああPCがあればぁぁ…!!!あの、本当に続き書かれないのですか…?凄い見たいです…っ!!(と、切実に願っております←笑)
そしてもう目の前で繰り広げられていたあのネタが文になっていて身もだえました。早い、早いです!そしてもの凄い萌え!!凄すぎる…やはり文になると萌え度が格段に違いますね…特に最初と最後辺りが…!(笑)

チャットでは失礼な事をやらかしてしまって本当に申し訳ございませんでした…!無駄でリンク貼ったのもお許し下さりありがとうございます…!!まさか尊敬していたお方様に自分のサイトのチャットに来て頂けるなんて思ってもみなかったので大変パニクりました(笑)
こちらの方にカキコしてしまってすみません、もし目障りでしたらまたお手間をおかけしてしまうのですが、削除してやって下さい…!
これからも影からこそこそ応援しております…!!
では、乱文失礼致しました…!(脱兎)
Posted by 七味 - 2007.10.28,Sun 16:54:50 / Edit
こんばんは!!
こんばんは、白琉雪騎です^^
昨日はありがとうございました!!
とっても楽しかったです…!
また機会があれば参加させてください!
その前にコメントの方に書き込みすみません;;


改めまして、是非リンク貼らせてください!
これからもバシバシストーカーしていきますので!!(止めて)
サイト運営頑張ってください!!
それでは短文、乱文失礼いたします。
※サイトURL貼れないのでこちらに貼らせていただきます。
ご迷惑おかけします…;
サイトURL→http://m-pe.tv/u/page.php?uid=gomasora&id=1
Posted by 白琉雪騎 - 2007.10.28,Sun 20:00:34 / Edit
こんばんは!
こんばんはです!


携帯だと拍手出来ないみたいなのでコメントから失礼します。
今日のチャットお疲れ様でした!凄い楽しかったですぅ!
そして流石仕事が早いです!萌え萌え~!

それとリンク貼らせて頂いきました!これからもストーキング(!?)していきますので宜しくお願いします!
それでは失礼致します~。
Posted by しそ - 2007.10.28,Sun 21:44:24 / Edit
ありがとうございました。(土下座)
>七味様
早い、早いぞォ、親父ィ!
てなわけで早速切腹タイムオンステージでしょうかという状態であります…
本当に唐突にお邪魔して下らないことばかり駄弁った挙げ句に変な話を書くとかもの凄く空気を読んでいなくてご迷惑お掛けしました。
しかもわざわざご連絡頂くのにまでお手数お掛けして心苦しいばかりです…携帯だと色々と見えない部分があるんですね。うああ
失礼の塊というこの人間を殴ってやって下さい…
メッセージ削除などととんでもない。有り難く保存させて頂く所存です。

訳の解らんパラレルだかも不明な話を延々落として済みませんでした!ありゃ無理矢理読めという流れだった!!
深夜とはいえノリでとんでもないことばかり致しました…
それとあの話はこう自分の暴走振りがあんまりにもあんまりですので一応続かない予定です。設定とネタだけはあるのですが…もうタイミングも逸してますし!
あんな駄文に感想頂いて、本当に嬉しく思います。
何のお礼も出来ぬ人間で情けないこと限りなしではありますが、今後とも七味様のサイトに足繁くこっそりと通わせて頂きたく存じます!有難うございました。


>白琉雪騎様
 先晩は与太話ばかりして話の腰を折ったりでご迷惑お掛けしました…!
むしろこちらこそ今度が許されるのでしたらまた参加させて頂きたく思います(七味様のお許しさえあれば)。
 メッセージの残し方が限定されているブログで済みません; お手数お掛けしております。

 こんな駄目ブログでよろしいものでしたらどうぞ貼ってやって下さいませ!見限った瞬間に剥がしていただければと。本当グダグダなブログですがよろしいんでしょうか…
 こちらこそ雪騎様のサイトに遊びに行かせて頂きたく思っております故、こっそりカウンターを回しに参ります(笑)!


>しそ様
 うわあい本当コメントだの拍手だのの扱いが全然解っていない管理人でご面倒を…!
こちらこそ折角皆さまで楽しんでいらっしゃるところに突然現れて空気ぶち壊して済みませんでした…何故か自己紹介にやたら時間を奪ってしまいまして;
 仕事は速くもない上に単純に粗いだけでやんす。もう少し腕を磨いて出なおしてきます…

 リンク有難うございました!本当にこんな変態趣味しかないブログにリンクなさっても…?あのなんというか品格とかそういうものが地べたを這っている場所ですので、こりゃ駄目だと思われればすぐに棄ててやってくださいませ。
 今後ともしそ様のサイトにもお邪魔させていただくかと思いますが、見逃してやって頂ければ幸いです。
Posted by 中の人 - 2007.10.29,Mon 00:50:12 / Edit
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