シンケン
本当、爺と黒子はイイ味出してます。
いつも冷静な殿が使うのを躊躇うせいで危険性が強調されたディスク。
へたれた殿に対して早速反応している桃が面白いです(笑)。
しかし敵が一定時間三途の川の水を浴びないと現世で身体を保てない+三途の川増量計画、という目的が最初っから出てるのは分かりやすくていいですね。
太夫がなにやらフラグを着実に立てて行っている気がするんですが…また立場が違うのかな?
しかし桃、やはり年上だけあって殿の内心の弱さを見抜いてましたな。水は盲信だからちゃんと見抜けない。土もまだまだ幼いし…となると、「お前もガキじゃねえか!一般常識しってんのかよ!」と緑が殴り倒すという展開なんかがくると面白いかなーと思います。
次回は土のキャラ立て回のようですね。もともとお姉ちゃんの後釜として家を継いだとか色々複雑そう+ドジッ娘なのでどんな話になるのか先が読めません。シリアスなのか、ギャグでさらりと黒いことを流していくのか…。
ディケ
ブレイド世界に突入ですね!この頃は途切れ途切れしにか鑑賞できなかったので、周辺知識を集めたりしてディケに臨んでいます。知ってる知識なんてカードとアンデッドと最後が切ない辺りだよ!細かいネタとか拾えないと寂しいしね…。
ハートKが出てない、ってのは聞いてたんだけど前回他の世界に出張したのにはびっくり。あとは橘さんがどう弄られるかですな…。オンドゥルに関してはアレは役者の不慣れが生んだ伝説みたいなものでしょう。
さてナツミとユウスケには解決した自覚もないままブレイド世界です。ハートKとの関係も説明し直しだなあ…あ、ナツミが鳴滝からの誘いを受けた話はしてたっけ?こっちもなかったことになってるのかな。
しかし職業ライダー、社内評価ざっこざっこ上下するな…勿論話の展開上無駄な部分はサクサク削るのは英断ですし、その中に旧作ファンがニヤリとできる言葉を混ぜ込んでくるのも面白い。
しかし料理シーン面白かった(笑)。お前は天道か!
それにしても相変わらずユウスケは美味しいところに登場するなあ…
夏海が鳴滝とキバーラの関係を発見しましたが…問題は鳴滝とキバーラの思惑がいまいち分からないってとこですかね。鳴滝は「理想世界」という考えに取り憑かれた特殊能力者なのかな?キバーラは…キバット一族の説明が作中で少なかったからなんとも…キバが親子の物語であった以上、二世と三世の絡みを書いてくれれば良かったんですけどねえ。
ちょっとバラバラ見ちゃった感じがあるので、あとから見直そうと思います。
……って次回予告に轟鬼でちゃったー!!
今回つけさせていただいたオマケは
①めのこで平和なお話
というリクエストをいただいたところから書かせていただきました。
おそらくご満足できる出来てはないというか、リクエストを正しく受け取れていないのではないかという疑惑がついて回るのですが…。
遅ればせながらではありますが、お納めいただければ幸いです。
※もしシモンがヨーコより先に告白していたら、というIFです。
「この後うかれてカミナ死ぬんじゃねえの!?」だのさんざんな言われっぷり!
明日は決戦。
それだけでウズウズと血が沸き立つ己の単純さに小気味よく笑いながら、カミナは燃えさかる山を見ていた。景気が良い。あれはまるで祝砲のようだ。
どおん、と響く音と地響きに周囲の空気が掻き消される。だから、だろう。カミナがそのすぐ傍にやってきていた妹分に気づかなかったのは。
「…兄貴」
控えめな声がそっと、背後から響く。噴煙に気取られていたカミナはしかし興味の対象を過たずに振り返った。少し背を屈めたカミナの紅い眼の中に、戸惑うような仕草のシモンが映り込む。彼女はせわしなくコアドリルを握っては放しまた握り、もう一方の手では前髪を弄り倒していた。
明日の作戦ではシモンの双肩に作戦の是非がかかっている。その重圧に休むこともままならないのだろうか。案じ、村でして居たように一緒に寝てやろうかと言おうとした時だった。
「あ、あの、あのね…兄貴」
もともと俯きがちな少女は今や悄然として、もじもじと器用な指先を絡め合わせている。首を傾げ、表情を覗き込もうとしたカミナに慌ててシモンは一歩下がろ…うとして、足下の岩に踵をひっかけて転んだ。
「おい、大丈夫か?」
笑いを含んだ声で問いかけながら手を伸ばす。シモンは顔を上げ、カミナの手の平をぼうっと見つめていたかと思うと突然勢いよく動き出し、自力で立ち上がった。手の行き場がないことよりも、シモンの両目が今にも緊張ではち切れそうになっているのが気になる。
「…どうした?」
せめて肩の泥を落としてやりながら、極力柔らかい声で問うた。シモンは一瞬また視線を落としかけ、それでも喉を鳴らして正面を向く。
「あのね、兄貴…」
一騎当千のグレンラガンを操る者とも思えない頼りなげな声だった。
「もし、…もし、明日の作戦が成功して、俺も兄貴も無事で帰って来られたら……聴いて、欲しい話が…あるんだ」
途切れ途切れながらも言い切る少女の手指は強く握り込まれて緊張を示す。けれど、カミナはというとあっけらかんとしたものだった。
「そんなもん、今言え」
シモンの感情を思いっきり却下した言葉に、さしもの妹分も固まる。だがカミナは己の主張を曲げるつもりはなかった。
「言いたいことがあるなら、即言え。
俺とお前の仲だろうが!」
わし、っと藍色の髪を大きな手が撫で回す。子供のような笑顔を浮かべたカミナは、これから一戦やらかす総大将にはとても見えなかった。そう、そうでなければならないのだ彼は。螺旋王に喧嘩を売った男に揺らぎなどあってはならない。
その表情を見て声を聞いて、シモンはどこか泣きそうな表情を見せる。けれどそれはすぐに取り払われて、彼女に言葉を続けさせた。
「…俺に怖いことが三つあって。
三つ目は、地震。二つ目は、明日の作戦。それから、一番が……」
ふいにシモンが足を踏み込ませる。完全に予想外だった動きに対応できないでいるうちに、赤い外套の肩にシモンの手が置かれた。穴掘りで鍛えられた筋力はちょっとやそっとでは外せない。カミナにも逃げる気はなく、そして近づいた唇にシモンがそっと彼女のそれを重ねた。
「…こういう意味で、兄貴が好きだってこと。これを否定されるのが、一番怖い」
言いながら、シモンは早くも逃げようと足を溜めていた。後ろに飛び退こうとでもいうのか、ブーツの底が床を蹴る。しかしそれよりも刺青の腕が細い娘の手に伸びる方が早かった。軽い身体を引き戻し、有無を言わせず抱きこむ。薄い紺色のジャケット越しにシモンの鼓動が伝わってきた。
小さな、カミナに比べれば本当に小さな身体をきつく抱きしめる。それだけに飽きたらず、逃げようとした小さな唇にかぶりついた。触れるだけだったシモンのそれとは違い、歯列を舌で舐めあげて怯んだ隙に口内をしゃぶる。上がる水音に比例してシモンの顔が真っ赤になっていった。
ふぅ、とカミナが一息つく。途端にぺたりとシモンが地面に腰を落とした。呆然とした貌は未だになにが起こったのか分かっていない風情だ。
「あー…」
ガシガシと己の頭を掻いたカミナは、首を回し、その勢いのままシモンの目の前に鼻面を突きつける。
「…帰ってきたら、十倍返しだ。いいか?憶えとけ。も……っとスゲェことしてやる」
スゲェこと、の想像もつかないのだろう純情なシモンの顔がぐんぐん赤くなっていく。その幼さ純粋さがあまりにも愛らしくてカミナはシモンを抱き上げた。調子に乗ってそのままぐるりと一回転までしてみせる。
硬直していたシモンは、それで少し調子を取り戻したようだった。
「あのね兄貴、俺は…地震はやっぱり怖くて、穴を掘るしか能がないし、ラガンもたまに動いてくれない、明日の作戦も自信がなくてすごく怖くて眠れもしなくて、そんな情けない奴なんだけど…でも、それでも、カミナが好きだよ。兄貴も好き、でもカミナが好きなんだ」
ぎゅ、とカミナの首に縋り付いたシモンが訴える。小さな身体の中に閉じこめられていた感情が炸裂し、その甘美さにカミナは酔う。あれほどまでに恋いこがれた地上。だがいつからか、地上へは一人でなくシモンと共に行くのだと決めていた。そして、きっと、更にその先へも。
「俺も好きだ、シモン」
落ち着かせるように肩を叩き、少し距離を離して灰色の瞳を覗き込む。既に涙の幕が掛かった瞳を見て、目尻に指を添える。
「昔っから、俺の話を聞いて、俺の無茶を支えてくれて…お前がイイ女だなんてのは、とっくのとうに知ってたさ!」
お前を狙おうという不届き者がいれば即天誅のつもりだったと豪快に笑うカミナを見て、ぽかんとシモンは瞬きを繰り返した。
「とにかく!お前は俺が好きで!俺はお前が好きだ!
…これ以上、幸せなことはねえ!」
ぎゅう、とまたカミナがシモンを抱き寄せる。小さな身体で精一杯カミナにくっついたシモンは、肩口に顎を預けて呟いた。
「…一番怖いこと、大丈夫だったから……二番目も、大丈夫…な、気がする」
一番怖いこと、がよもやこんな結末になるとは思っていなかったのだろう、シモンには憔悴の色が見える。
「おう、当たり前だ!お前ならできる!」
しかしカミナは絶対の自信を持って、大切な娘の背中を豪快に押した。
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