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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.04.26,Fri
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2007.09.29,Sat
ニア姫登場前に書いたものなのでニア姫の扱いが無茶苦茶悪いんだ。ごめんなさい。
で、ゼロを何回かけたところで結局ゼロだよという感じにシモンとヨーコ。
グダグダくっついてる人達を書こうとしたら文章自体グダグダになった!こりゃ駄目だ!!
駄目人間艦長とその面倒を見てるヨーコというのが正しい表現かもしれない。
取り敢えずコトを致したりしているので駄目な場合はスルーでお願いします。

なんか自分が書くとヨーコさんがどうにも都合の良い女的描写で全然上手く扱えてなくて駄目だなあと。







射精した後は興奮が収まるせいなのかなんなのか、さっきまでの昂揚が嘘みたいに感情が冷める。その所為で無駄に頭を巡らせる羽目になんてなったりするからどうも俺にとって性交は暇つぶしになりにくかった。
これは男のもしくは俺個人の特殊な結果なんだろうか。それを訊ねようかうだうだと迷っている暇に、女であるところのヨーコは既に後始末したり身支度整えたりと忙しい。
仰向けになった俺の目には服着るヨーコが逆さまに見えた。やることやってる以上気にするつもりもないのか、俺がガン見でもヨーコは恥じらうそぶりもなく下着を身につけていく。
女ってのはなにかとマメな生き物だ。俺はこの年まで生きてきて出来ることと言えば穴掘るかガンメン乗るかドンパチするかしかない。
如何にも野垂れ死にがお似合いの俺にヨーコを付き合わせるのが忍びなくて、と言うよりあの世で兄貴に殴られるのが怖くて、俺はお定まりの文句を口にする。
「ヨーコぉ、やっぱ艦、降りないか?」
やっぱり敵と正面切って戦うのに血は踊るしやめらんねえし、自分が死ぬのは怖くない。
それでも俺だって少しは無茶してる自覚はあって、ヨーコを道連れにするのだけは嫌だった。俺は、一度、ヨーコから奪ってる。
だって言うのにヨーコは全然俺の言うことなんか聞いちゃくれない。振り向いた顔は手の掛かる子供を見る目だった。
「やぁよ。あんたってば放っておくとちっちゃい子みたいに暴れ回るんだもん。
 気が気じゃないから目を離しておけないわよ」
お前は俺の母さんかよと言いかけて、やめた。違うとも言い切れないのがまた困る。
本物の母親が死んだ時なにせ俺は七つで、生みの親についてはもうとっくに顔も思い出せなければ声も体温も存在の残滓としか言いようが無いくらいに記憶が薄まっている。
あんなにあんなに手を繋いで抱きしめあってキスまでしたニアの暖かさや柔らかさや薫りやその鼓動の強さまで、俺は薄情なくらいに片端から取り落としてしまった。
母親も恋人も死んで俺に残された女という存在は友人だか姉だか妹だか母親だかもう全然区別のつかないヨーコだけだ。
兄貴が…カミナが、取り残された幼児の俺を守って手を引いて地上まで連れてきてくれた父親だとするならば、その恋人で俺の背中を押してあれやこれやと面倒見てくれたヨーコが母親だというのもあながち間違いじゃない。
「年そんなに変わらねえのに、オバサンくさいなヨーコは」
「あんたがガキなのよ」
吐いた悪態にも鼻歌詠う調子で返してくる。手慣れた対応に苛立つよりも安堵が先に来た。これだけ甘えたじゃあ、ガキと言われても仕方ない。
俺は昔から本当に甘えたがりで、いつも誰かによっかかってばっかりだ。
艦長だなんだと持ち上げられているのだって実際は他の連中に俺の出来ない全てを支えられているからだ。大グレン団の長という椅子に座っているのは他に相応しい人間がいないからじゃなく、俺はそこに座ってることくらいしかできないだけに過ぎない。
そんなんだから、俺なんかを抱え込んだ兄貴はさっさと死んじまったんだろう。根暗で穴掘りしかできなくて実はドンパチの才能だけはあったらしい駄目人間なんかに頼り切りになられたままで生きていけるほど地上は甘い世界じゃない。
あの時、兄貴が死ぬ直前もヨーコが兄貴のものになったのが悔しいやら、兄貴の一番をヨーコに取られたのが悲しいやらで俺はもう相当ボロボロだった。命懸けで兄貴に掬い上げて貰った挙げ句そのまま俺は兄貴を殺してのうのうと生き残り、ヨーコの初恋までぶち壊した。
その後の俺はもう本当にどうしようもなくて、延々雨も上がらないような有様で。
でも俺がどうであろうとお天道さんは昇って朝が来て獣人は襲ってくるし夜になったらやっぱり眠いし。兄貴は死んじまったってのに俺は生きてるんだって実感させられて、それがどうにも辛くてやってけなくて。
俺には余裕がなくて判らなかったけどどうやらヨーコも似たような状況だったらしくて、俺がラガンを動かせなくなったのと同じように射撃の的中率がガタ落ちだった。
俺達は揃って抜け殻みたいになってた訳で、戦ってる俺達にとってそれはどうにも致命的な塩梅で。どうしても骨入れ直して肉と内臓詰め込んでもう一度立ち上がらなきゃならなかった。なんで生きてんのかなとか思ってたのに、それでも生き残るための方法を模索したのは多分、中途半端に死んだら兄貴に顔向けが出来なかったからだろう。
どっちが据え膳だったのか解らないまま、俺達は取り敢えず餓えを満たすためにお互い食って食って食い合った。考えてみれば亡くした人は同じ相手で、だから本質的に穴を埋めることはできなくて、取り敢えず忘却のための時間稼ぎだったのかもしれない。あのまま肉欲に溺れて別の意味で駄目にならなかったのは奇跡レベルの結果だろう。
うだうだ過去を反芻している俺をどう思ったのか、ベッドに戻ってきたヨーコが俺の頭を撫でた。やっぱり子供にするような扱いなのはもう諦めるしかない。
「私がさ、ここにいるのは自分で決めたことだから。
 シモンが気にすることないよ。
 こういことするのだって嫌なら撃ってでもやめさせるし」
引き金を引くことを躊躇わない手は気持ち良かったが、俺は肩を竦めた。
「…おっかねえ女」
食い千切られるか引っこ抜かれるか、玉ナシ竿ナシになった俺が簡単に想像出来る。なにせヨーコは兄貴のシモネタにも銃をぶっぱなしてた女で更に言えば男所帯の大グレン団で男共の性欲をあしらってきた女だ。気に入らない男のチンコぐらい簡単に踏みつぶすだろう、しかもヒールで。
「そのおっかないのに甘ったれてるのはどこのどなたさんかしらねえ」
撫でる手を掴んで引き寄せた俺をヨーコが笑う。戦ってばっかりのくせにヨーコの末端は柔らかかった。口まで持っていって唇で指を食む俺に何やってるのと呆れた声が降りかかる。
「お腹空いてんならなんか食べてきたら?」
提案したくせに俺の隣へヨーコが体を滑り込ませた。遠慮無く抱きついて胸の谷間に枕よろしく頭を押しつけて俺は目を閉じる。
「眠い」
端的な訴えにはいはいそうですか、とあやす言葉が返った。
ヨーコは兄貴の赤ん坊が欲しかったんだろうなあとか考えながら俺は許された距離をこれ幸いに豊満な乳房を堪能する。兄貴はこんなことしなかったんだろうし出来なかったんだろうなとぼんやり思った。散々やりまくっといてなんだけど、本来ヨーコは身持ちが堅い。俺が免じられているのは完全なまでに被保護者扱いだからだ。
多分ヨーコにとって俺は産まれなかった兄貴のガキの代わりなんだろう。断じて兄貴自身の身代わりなどでは、なく。
本当の母子じゃない俺達はいつまで経っても親離れ子離れ出来ないままだ。艦を降りる降りないも、結局ヨーコが降りないと知っているからできる会話に過ぎない。
兄貴が見たらなんて言うか考えてみても答えは出なかった。兄貴は死んじまったからだ。俺達がこうなっているのも、兄貴が死んだせいだ。俺達を途中で放りだした兄貴が悪い。
どうせ答えも出ない考えを巡らせるのに疲れた俺は、故人に責任を押しつけて優しい腕の中で眠りに落ちた。
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