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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.11.23,Sat
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2007.09.29,Sat
ラゼンガンとラガンは同型機
 →螺旋王がラガン埋めた?
 →ラガンの乗り手はロージェノムの同志
 →ロージェノムさんはおそらくリーダー
 →ロジェさんにも弟分がいたかもしれない
 →ならば、ロジェさん=シモンを失ったカミナ という解釈も成り立つ
というワンダホー斜め上な脳みそにより生産されたロージェノムさんとその弟分の話
弟分の人、ただのオリジナル。
一応構成要素はシモンとロシウから引っ張り出してきて、でそこに適当な人物像をぶち込んであります。
基本的に勢いで書いたから文章ガッタガタだけど手直しする気力もないよ






 ─────無茶をするのが好きな人だ。
不意にそんな声が聞こえた。それを思い出すだけで充分だった。まるですぐそこに声の主が居るかのように、一瞬前まで記憶の彼方へ追いやっていた思い出が再生される。
夏の日差し。遮る木の陰。熱された空気。穏やかに吹く風。
何処までも高く見える空の下、懐かしい相手が笑っていた。
少しだけ困ったような顔をして、それでもどことなく面白みを噛み殺せないでいる顔は子供のようにも見える。相対する自分もそういえばガキのように笑っていたのだった。
「ラゼンガンの補修作業もバカにならないんですよ、解ってます?」
全く反省していない年嵩の顔を見上げて、青年はやっと笑いを収める。僅かに厳しさを載せたその表情はやっと大人びた。それでも自分からしてみればまだまだ若い、いや幼い。
「自己修復機能を使えばいいだろう」
険の乗った顔がおかしくて、だから幼児にするように頭を撫でた。曲がりなりにも整えられていた髪を乱されて青年は一歩逃げる。腕を伸ばせば届く位置でも敢えて追いはしなかった。けらけらと、こんな軽快に自分は笑う男だったと今更思い出す。
「四六時中乗ってるつもりですか、あんたって人は」
笑い声にか言動にか。とにかく呆れを隠さずに青年は肩を竦め、直後吹き出した。憤怒よりも笑顔の似合う、そのくせ酷く生真面目な気質の男。大胆と無謀が紙一重の行動ばかりする自分を叱咤し、支え、肩を並べた。
ああそうだ、そうだった。ごぽりと視界を満たした泡を見るともなく眺める内にずるずると遠い日の記憶が呼び覚まされる。何時押し込めたのかすらももう思い出せない、それは棄てたも同然の筈の記憶だった。
よもや戦めく身すら失い今更思い出すことになろうとは運命は解らないとしか言いようがない。
楽しくて仕方ない、そんな気分で笑った日もあったのだ。
1000年の間に浮かべ続けた嗤いなどでは断じてなく。
そしてその傍にあの青年が居た。
血にまみれるよりは、泥だらけになっている方が似合う奴だった。植物やら動物やら、生き物を育てるのが趣味だと言っていたくらいだ。実際、もし自分が連れ歩かなければ彼の螺旋は地に足をつけて生きることを望んだだろう。
だがそれだけに注意を配ることに長けていた。手違いがあれば植物などすぐ枯れる。親のない獣の子を拾って立派に育てることも彼の特技の一つだった。ちょこまか脚にまとわりつくアルマジロの子供をあやす姿も鮮明に思い出せる。
手間隙を怠らずしかもすぐには成果のでない作業を好む気質が生来なのか育まれたのかはいざ知らず、それは自分に無い資質だった。
 ─────あんた、早死にしそうですからね。
奴から見れば自分はさぞ危なっかしく見えたのだろう。アンチスパイラルの決戦へも彼はすすんでついてきた。嫌だと言っても連れていくつもりではいたが、自ら行くと言われれば少なからず驚かされたものだ。戯れ半分に何故共に来たのか尋ねた時に、やっぱり笑って彼は応じた。
「ついてこなくてもつれてきたんでしょう?」
「当たり前だ」
即答した自分の言葉が想像通り過ぎたのだろう、肩を竦めた彼は艦橋から星の海へ視線を向ける。穏やかな、それでも決して折れない強い瞳は予断無く艦の行く末を見据えていた。
「自分の道は自分で決めたかった、ていうのと、」
前に立つよりも一歩引いているのが好きな奴。だがその代わりに鋭い視線で全てを睥睨しもした。賢い男だと思っていた。だからこそ背中を任せられたのだ。彼以外に任せることなど有り得なかった。
「あんたは命を無駄遣いしかねないから、おちおち待ってもいられませんよ」
寄せられた期待を気負いなく受け止めて、それでも任せておけとは言わない。とは言え彼はそこに立っているだけで何故か周囲を落ち着かせられるだけの人徳の持ち合わせがあった。
二人で駆け抜けるのならば何処まででも行けると信じていた日々。なにがあっても迷わないと思っていた。
裏を返せば、彼が欠ければ自分は完全ではいられないのだということにも気付かないまま。
死は常に隣り合わせだったが、それが彼に降り懸かろうとは思いもしなかった。少なくとも、己より後か時を同じくするだろうと。
だから耳障りな程の叫びも断末魔などではないと信じようとしたのだ。彼も自分を全力で騙した。通信機器の破損をいいことに血混じりの吐息をノイズと嘯き、映像の投射が不可能になったことで傷の深さを誤魔化した。嘘だと、解っていたのに自分もそれに縋った。
 ─────振り返るな、ロージェノム!
機を逃せば敗北は決定的だった。肩を組んだ他の螺旋族の戦士達とは分断され、カテドラルテラは動力室を壊され、すぐ傍に居るはずのアンチスパイラルの座標は特定出来ない。全員ガンメンで討って出て、圧倒的な戦力差に次第に数を減らされ、それでもアンチスパイラルの兵器を破壊して破壊して、置いていった彼に背中を任せたつもりで。
後ろを任せると自分は叫んだ。
ここから先は通さないからとあいつが答えた。
そうして通信が途絶えてから数秒も保たなかっただろう。赤い機体の内側さえも紅に染め上げられて、自らが流した血の海の中看取る者すらなく彼はその命を終えた。
そこまで自分に振り向かせまいと、前に進むことだけを考えさせようとしたのだ。
解っていた。それが彼の示した自分に対する友愛なのだと。そして同時に、そうさせたのが自分であることも。
友情だと思っていた。実際の所、自分勝手に引きずり回しただけだった。
そして彼の死と共に、己の螺旋力もまた折れた。
積み上げられた仲間達の屍体を見せつけられて自分は反螺旋の前に膝をついた。
もし、彼がその時隣にいたらどうしただろう。可能性の海の中にはその選択肢もあったかもしれない。だがどうしようもなく己の隣からは彼が失われ、そうしてやっと一人で笑うことなど出来はしないのだと思い知ったのだった。
何処へも行くことが出来なくなった脚は言われるまま母星へ取って返し、言われるまま人間を地下へと封じ込めた。
彼のガンメンは、ラゼンガンで埋めた。墓標の代わりにでもするつもりだったか、哀悼だったか、悔恨だったのか。総てを二度と目にすることが無いよう地中深くへと。
彼の真似事をするように、螺旋を持たない生き物を生み出すことに没頭しもした。異形の生命など彼が望む筈もなかったのに。
思えばそれらは自分の中に欠片残された反抗心だったのかもしれない。いつか誰かが開けてくれることを願って隠したパンドラボックスだったのかもしれない。
千の時を数えた今となっては思い出すのも難しかった。一人で生きた引き延ばされた時間はあまりにも密度が薄い。
遂に首だけの化け物となりながらも失った身体の分だけ意味を取り戻した自分の生を思った。
時は繰り返す。近似の螺旋を、だが相似ではなく。
昂揚していく心すら取り戻し、身体の代わりに戦艦を手に入れた男は不敵に笑う。
「私もまた、螺旋に支配された者ということか」
今の自分を見ればあいつは何と言うだろう。ひとしきり嘆いた後にそれでも戦い続ける道を選んでいることを呆れた顔で笑うかも知れない。お前の目算は見事に外れたぞ。そうと言ってやりたかったが、言うべき相手は今此処にいなかった。刹那浮かんだ幻はいとも簡単に解けていく。
見慣れた艦橋も今は空だ。しかし備えを満たした艦は嵐の前の静けさを束の間味わっているに過ぎない。そう間を置かずに乗り込むべき人間達がここへとやってくるはずだ。
そしてカテドラルテラは二度目の旅路に着く。今度こそ自分達を囲う檻を壊すために。
仇討ちなどお前は望むまい。だからただ、私はお前が見られなかった先を見に行く。
自らの吐く泡さえ上へと昇っていく様を笑い、螺旋の戦士は己が導くべき星の海へと思いを馳せた。
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