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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.11.23,Sat
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2007.09.29,Sat
本編でもまだ兄貴が死ぬかどうかなんて全然解らなかった頃に「兄貴がもし死んだら」という仮定の下に書いたもの。
その頃から兄貴の死亡フラグは予期されてたんだなあと思うと感慨深いですね。
というかむしろ三話にしかまともに出てなかったヴィラルどんを書こうという気になった自分に吃驚する。






鉈は思惑通りに相手を切り裂いた。花のように散る血飛沫の向こうで細身のニンゲンが佇んでいる。
「よく死にかける奴だな、貴様」
納める前に一振りした刃から床に血が滴った。とはいえその程度の汚れは問題になりはしない。既に廊下は血の海だからだ。
「生身での喧嘩は得意じゃないんだ」
「無腰で騙るな」
飄々と言ってのける姿が不愉快だ。良く知る頃のコレであれば、血の臭いにも死体にも怯えを隠せはしなかっただろうに。
自然舌打ちが漏れた。
「死にたいのか」
「まさか」
まだ死ねない、と笑う。酷く穏やかな顔だった。故に薄気味悪い。
「助けてくれて有難う、ヴィラル」
頭を下げるその仕草が私の不快感を煽ると知っている筈だ。無意識にもう一度刃を握ろうとしていた手を押える。まだだ。
「お前"を"」
そう、お前は。
「殺すのは、私だ」
私に殺されなければならない。
それだけは違えられてはならない。
もう二度と、私が獲物を逃すことは有り得ないのだ。
まんまと逃げおおせた、あの男のようにはさせない。
「殺すなら今殺せばいいんじゃないか?」
問うた子供は小さく笑ったようだった。
ただ、このニンゲンを殺すことなど造作もない。
数多の軍勢を率いていようがどれだけの腕を持つガンメン乗りであろうが、今のコレには殺す意味はなかった。
私もコレも、結局は同じだ。
追いかけていた者を奪われて道に迷っている。
だからこそ、いつまでも迷っていてもらっては困るのだ。
走り、辿り着き、相対するに相応しい戦士になってもらわねば。
「今のお前に殺すだけの価値はない」
早く追いつけ。
お前の求めるあの背中に。
そのお前と刃を交え、やっと私もまたあの男に追いつく事ができるのだから。
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