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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.05.03,Fri
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2009.02.08,Sun

仕事関係で七転八倒している、どうも管理人です。
なんで最初の契約額を勝手に引き下げられてしかもそれを指摘したら逆ギレされなきゃならんのよ…ヘルプミーですよ…。
明らかに自社に金が無いけどライターは確保したいって魂胆が見え見えでこっちもキレてやりたいけどそれは仕事をする大人としてどうかと思うので保留。保留ったら保留!
駆け出しライターの道程は穴ぼこばかり!そしてドウテイって打ったら童貞って出た!流石だなこのパソコン。

済みません、そんなこんなで現実逃避に寝たりしてました。
あと姉上様のインテリア作品の展示に行って相変わらずの凝り性ぶりにビビッてみたり。
あの人の完璧主義は相変わらずスゲェな…
他の人がちっこい模型ばっかなのに、一人だけ5m×5mの実物大ルーム模型を作るってどんだけ!?
外から見たとき普通に展示場の付属物かと思ったわ!


で、取り敢えずリクエスト企画やっと始動しました!
まずは一つめです。
進行がのろのろしておりますが、どうかよろしくお願いいたします。
こんなん書いてみろコラ!というお言葉お待ちしております。





「平和なシモンとカミナ(寝食などのシーン)」というリクエストを頂きましたので、地上で眠るカミナとシモンの短文です。
ただ、平和なつもりがちょっとトーンが暗いというか、言いたいことがよく解らない感じになってしまいました…。
地上に恐れはあるけれど、二人一緒なら平気だぜ!みたいな感じです。
こ、こんなんでよろしいでしょうか…!



②兄貴とシモンで平和なお話

 直前まで豪快な寝息を立てていたカミナは、すぐ傍の気配が空気を変えたことに気づいて目を覚ました。ヨーコにはバカだなんだと言われているが、これでかなり鋭い男なのだ。基本的に獣人は昼にしか動かないとはいえ油断はできない。よもや夜襲か、と飛び起きようとしたが、隣にいる相手の動きはその割にはゆっくりとしたものだった。ただ、寝返りをうっただけというようなものでもない。
「…眠れねぇのか?」
問いかけ、カミナは肘を地面に立てて頭を上げた。声に驚いた顔をしている相棒の顔が赤い瞳に映る。何度もぱちくりと瞬きを繰り返すシモンは片膝を抱えて座り込んでいた。
「ご、ごめんよ兄貴。起こした?」
困った表情で問いかける弟分に欠伸をしながらカミナは身を寄せる。リーロンとヨーコを起こすのも忍びないし、魂の兄弟としては会話に割り込まれるのもいい気はしなかった。
「なんとなく目ェ覚めただけだ。気にすんな」
言いながら、宵闇に溶け込む藍色の髪へ手を伸ばす。わしゃりと撫でられてシモンは目を細めた。そのまま、まだ幼さを残す肩へ手を掛けて弟分を引き倒す。
「わっ」
小さな悲鳴が上がり、シモンの頭はカミナが横たえた二の腕に乗った。何か言いたげにつぶらな眼が兄貴分を見つめる。しかしそれには応じず、カミナは空を見上げた。穴蔵世界とは違う、夜でも煌めく闇。その美しさは地上に憧れ続けた男を魅了してやまなかった。さんさんと照り輝く太陽も目新しいが、暗がりを包む月の光こそ地下で暮らしてきたカミナには好ましい。いつかあの光へ近づいてみたい、と思う彼の傍らで、諦めたのか同じように空を見上げたシモンが呟いた。
「…明るいね」
ため息のような声音。ブータの寝息にすら掻き消されるようなそれに、カミナはやっと天から視線を弟分へと戻す。ほの明るく照らされた横顔はどことなく困惑を映しているようだった。
「夜でも、こんなに明るい…」
眩しさに目を細めてシモンは繰り返す。掘削ドリルからラガンの操縦へと役目を移した手が、上着の袖に括ったマントの切れ端を無意識に弄っていた。
「落ち着かねぇか」
枕にした腕の先、あまり自由には動かない手指でシモンの髪に触れる。弟分は幾らか迷った末に、気まずそうに頷いた。
「なるほどな」
だがカミナはシモンの心情を否定せず、もう一度空を見上げる。暗い、何処までも暗い世界を小さな灯りひとつで掘り進んできたシモン。狭い穴の中で身体を折りたたむようにして寝るのが習い性だったシモン。そんな彼にとっては、ちりばめられた星は眠りをもたらす夜を浸食するかのように見えるのかもしれない。
地上を否定する言葉を口にしたことでカミナの機嫌を損ねたのではないかとシモンが気に病み始めたことを兄貴分は見逃さなかった。他人の感情を窺って生きてきた弟分に、気にするなという方が無理な話だ。地上にも、連れてくるとは言い続けてきたがいきなり飛び出すことになったのだ。心が現状に追いつかなくても仕方ない。まして、地上には知らなかったことが山程あり、そして日々は戦いに晒されていた。地震による受動的な死ではなく、ガンメンとの戦いによる能動的な死。どちらが恐ろしいかと言われて優劣はつけがたいが、自ら立ち向かわなければならないガンメンを恐れるなというのは無体だろう。
「なあ、シモン」
入れ墨の腕は首筋にシモンの頭を押しつけるように年下の身体を引き寄せた。寄り添う体温は温かく、広い地上で孤独ではないことを二人に教える。父親は独りにどう耐えたのか、それを実感するより早く死んだのか…それは誰にも解らない話だ。
「お前がいてくれて良かったぜ」
本音としか言いようがない言葉を口にしながらカミナは足下まで下がっていた毛布を引き上げる。根拠のない自信を本物にしてくれたのはシモンだ。こうして地上で二人身を寄せ合うとそれがますます実感できる。例えば一人で地上へ出てこれたとして、その時自分はなにを感じただろう。あの時見た美しい空と地上の光景を分かち合う相手が居なければ、ガンメンなどいなくても早晩カミナは目的を失っていたかも知れない。
人は一人で生きてなどいけないのだと、カミナはしみじみと息を吐いた。
「兄貴」
年嵩の心の内を知らないシモンは少し早口にカミナを呼んだ。かつては頑なに拒んでいた呼び名で。
「俺も兄貴がいてくれて良かった」
世界がこんなにも広いと知らず、狭い穴の中で死んでいくはずだった少年は真摯に告げる。
「まだ地上には慣れないけど、でも…」
ここに来られて良かったって思ってるんだ。本当だよ。
新しい世界に踏み出した義兄弟は、互いにこの場所で"生きている"という実感を共有していた。長い間に閉塞し、規則に縛られた地下とはあまりにも違う場所。だがだからこそ彼らは生かされているのではなく、生きているのだと思うことが出来る。
その感情をもっと多くの人々に分け与えたい。自由に生きることの素晴らしさを理解させたい。カミナがその思いを深めていくことができるのは、正に地上に出たことでシモンが新たな彼に目覚めていく様を目の当たりにしているからこそだった。
「おんなじだな」
「おんなじだね」
考えることが違っても、共にあるという喜びは変わらない。だから今は、まだ慣れない光から庇ってやるためにカミナはシモンの瞼の上に掌を乗せた。
「寝ようぜ。寝坊でもしたら、デカッ尻がうるせぇからな」
カミナの言い様にシモンが窘めと笑いを含んだ声を上げる。緩やかな眠りが訪れようとする二人の傍で、小さなブタモグラがぶみゅうと寝言を漏らした。
 

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