色々シモネタに走ったりなんだりしたこともあるネタなんですが一応真面目なところを拾い上げて載せてみました。
大変どうでも宜しいけど、本文中に「箱船」というのが出てくるんですがまさか本編でアークグレンが出てくるとは思いませんでした…しかも設定がダダ被り。人類決戦兵器とかどうすりゃいいんだよ。
というわけで今更続けるのもどうなんだ感が有り余ってる展開ですが、ぼちぼち書き足していければなあと。
今回はシーンぶつ切りでいこうと思うんだ…前にこう、無理矢理話を繋げて苦しい目にあったことが思い出される…よ…
構成力がねえという致命的な弱点!トホホ!
その優しい手は俺の薄汚れた頬を包み、その柔らかな声は泣き続ける俺を慰めた。
…大丈夫、俺が君を守るから。
穏やかで、けれど強い意志を秘めた瞳が俺を映して頷いたんだ。
「ぶぃっ!」
「奴等か!」
駆け抜け、肩に跳び乗ってきた獣の鳴き声に少年は目を通していた本を放り投げた。壁に立てかけてあった刀を握りしめ後は何も省みずに走り出す。
心得た獣が上げる声をまるで人のそれだとでも言うように聞き取り、彼の足は惑う事なく自身を目的へと誘った。最後の角を越し、踏み込みと同時に大音声が響き渡る。
「テメェら!なにしてやがる!!」
無機質な廊下に反響した口上に蟠る闇がざわついた。廊下の突き当たりをねめつけた赤い瞳の鋭さが闇を人だかりへと分解する。どろついたけったくそ悪い空気が僅かに散って、その奥に囚われていた一人がずるりと床に腰を落とした。
誰なのか、は既に解っている。だが実物を目にしてしまえば怒りは留まることを放棄した。少年の空色の髪が逆立ち、そして寸前よりも更に大きな声が爆発する。
「シモンになにしてやがったか言ってみ…」
振りかぶった刀と子供の勢いに有象無象の者達が気圧された。が、彼の言葉は最後までいかないまま遮られる。力尽きたように倒れ込んでいた男が首をもたげ唸り声を上げた。
「…カミナ。やめろ」
少年の烈火と表せるものに比べればあまりにも静かに過ぎる声は、しかし場に冷水をぶちまけるのと同じ効果を持つ。特にカミナと呼ばれた子供は氷の塊を飲み込まされたかのように声と表情を固めた。それまで男…カミナがシモンと呼んだ青年を囲んでいた者達ですら怯えたように後退る。
声だけで場を制した青年は壁に手を添えよたつきながら立ち上がった。途中かくりと右の膝が力を失い、もう一度床に落ちそうになったのを見て慌ててカミナはシモンへと駆け寄る。
「シモン、肩」
間断なく周りの人間を睨みながら寄り添った少年に、苦笑したシモンが小さく礼を言った。
「悪い」
「気にすんな」
臨戦態勢を崩さないままシモンの腕を取ったカミナは腕を振って人だかりを下がらせ、元来た道を辿る。少年の肩に陣取っていた小さな獣はそこに回ったシモンの腕を辿り、定位置である彼の肩に陣取った。
頬を舐められ軽い笑みを浮かべたシモンは、直後カミナが腰に吊しているものを見とがめて溜息を吐く。
「…お前にゃ刀の扱いなんざ教えてないはずなんだがなあ」
彼がぼやくとおりだった。脚を悪くしたシモンには当然体術の伝授などできようはずもない。だが刃渡りの長いこの得物は手にした時からまるでそのためにあったのだと言わんばかりにカミナの手に馴染んだ。空いた手で柄を撫で、少年は自慢げに笑う。
「はん、こんくれぇ朝飯前だぜ!
ガンメンだって…」
「カミナ」
再び、言葉を遮られて丸みの削げつつある頬が子供らしく膨らんだ。けれどその幼い笑顔も灰色の瞳が浮かべた厳しさを取り消すことは出来ない。歩みを止めたシモンに真剣な顔を向けられ、結局逃げきれずにカミナは青年から目を逸らした。
「…刀もガンメンも、子供が使うもんじゃない」
語調を荒上げることなく、だがどうしようもない重みを伴った声にますますカミナの顔が曇る。
力が欲しい。本心を告げてしまえば自分を見下ろす瞳が悲しく歪むのを知っているから、仕方なくカミナはぶぅたれた声で誤魔化した。
「子供扱いしやがって…」
「子供だろ?」
拗ねた子供の頭を優しく一撫でしてブーツの脚が踏み出す。慌ててカミナがそれを支えた。言ってから動けと文句を付ける子供に軽く謝ってから、シモンは穏やかに切り出す。
「…そうじゃなきゃ、もうここからは出ないとな。
この箱船はお前が育つには狭すぎる」
来た時の倍以上かけて辿り着いた自室の前で言われた言葉にカミナが目を吊り上げた。放り出すように相手を椅子に座らせ、少年は自分の腰に手を当てて宣言する。
「断る!
絶対ェ地上になんざ行かねえからな、俺は!」
既に幾度か交わした論議だった。今度もシモンは息を吐き、宥める言葉をカミナに向ける。
「本当、お前にはさ。悪いことしたって思ってる」
やや俯いた顔に藍色の髪がかかった。眇められた視線は会話相手を捉えておらず、カミナを苛立たせる。前を開いた上着の襟元から覗く首筋に巻かれた包帯がそれを助長させた。気付かないシモンは白い指を組んで続ける。
「もっと早く手を打ってやれていれば良いとこに養子に出してもやれたのに、ぼさっとしてたせいでこんなとこまで連れてきちまって」
「親なんざ要らねえよ」
定型句を切って捨てて、カミナは床に膝を降ろした。下から見上げたシモンの顔は困ったと如実に書いてある。男にしては繊細な形をした手を握り、カミナは灰色の目と視線を絡めた。
「俺の家族はシモンだけだ。…ああ、あとブータもだけどよ」
ぶぃ、と黒いコートの肩に乗った獣が肯定を示す。そうだろうとでも言わんばかりに頬を舐めた古い相棒にますます弱り切った表情を覗かせ、シモンはカミナの説得にかかった。
「…お前がそう言うのは、世界を知らないからだ。
すごいんだぜ、地上は。ホントになんでもある」
子供の体温から逃げるように指が解けて両腕が広がる。無理にはしゃいで見せるその仕草にますますカミナの眉間の皺が深くなった。可愛らしく小首を傾げてみせる、実際の年齢より10も若いような姿に唇を尖らせカミナは立ち上がる。
「…シモンは、いねえじゃねえか」
それが決定的な理由だった。カミナ、と幼い駄々を諫める口調で呼ぶ声を振り切って怒鳴り声が部屋の静寂を壊す。
「俺がいねぇと飯も食わねえ寝もしねえ!
そんな奴放って地上なんぞ行けるかってんだ!!」
まくしたてるカミナに気圧されてシモンが肩を引いた。それを好機と見て少年の指さしが色白の鼻面に突きつけられる。
「大体!さっきだって俺がいなけりゃ何されたか解んねぇだろ!?」
興奮で上擦った声にシモンが視線を横へ逸らした。恥じたように目元を歪めて反駁する。
「あれは…仕方ない、だろ」
諦めきった口調が許せず子供の両手が大人とは思えない程薄い肩を掴んで揺らした。
「仕方なくなんかねェよ!」
必死な言葉にもシモンの視線はカミナを捉えない。伏せられた瞳に歯軋りするカミナを前に、シモンは当然のことのように断じた。
「俺は彼等に恨まれるだけのことをした。だから、あれは彼等の権利だ」
「違う!」
否定の叫びは泣き声に似る。子供の言葉を肯定してブータも声を上げた。しかしそれらを受け取らないシモンはゆるゆる頭を振り、そうしてやっと顔カミナに向ける。疲れた笑顔が苦しくて少年の顔が苦々しく歪んだ。
「お前、こんなとこに閉じこもってるから視野が狭いんだよ」
慰めのように痩せた指が子供を脱却し始めた頬を撫でる。戦慄く唇が二の句を浮かべられないで居る間に付け込んでシモンは言葉を重ねた。
「お前はまだ色んなものを見る時間があるし、そうすべきだと思う。
だから…」
ばしりと音を立ててカミナの手がシモンの腕を振り払う。激しい動作に眼を丸くする年嵩に、肩で息をした子供が吠えた。
「断る!」
勢いのまま止まらずに言葉が流れ出る。責め立てるように連なるそれに痩せぎすの身体がびくりと震えた。
「俺が何も知らねえとでも思ってんのか!?
地上の連中はシモンを裏切った!そんな奴等のところになんか俺ァ絶対に行かねえからな!絶対だ!!」
派手に振り上げ拳を握り、言い放った直後赤い瞳は悄然とする年上を認め些かならず狼狽える。傷ついた顔をさせたのは己が論った者達ではなく自分自身だと理解出来て握ったはずの指が解けた。
途方に暮れ、ますます年齢を忘れさせる幼さを覗かせたシモンを見ていられずにカミナは背を翻す。
「…カミナ!」
呼ぶ声にも構わず、彼はもう一度部屋を飛び出した。
無人航行システムを組み込まれたこの戦艦は、星の海を漂うにもほぼ人員を必要としない。シモンとカミナ以外の搭乗員はシモンの監視役に過ぎず、そして一定の周期で面子が全て入れ替わる仕組みになっていた。
案の定誰もいない艦橋の、言い訳のように設えられた司令席に腰を降ろしてカミナは頬杖をつく。地上へ行け行かないの問答は年を追う毎に頻度を増していた。今ではもう繰り返されぬ日などない。従う気はさらさらないが、その度見せつけられるシモンの傷ついた顔が嫌だった。
自分だけは絶対にシモンを裏切らず、傍を離れもしないのだ、と。
この艦に乗り込む前に決意した。だと言うのにシモン本人にそれを断られてしまうと正直カミナも凹む。
「…寂しがりのくせによ」
拗ねた声は相手もなく、ただ彼を空しくさせただけだった。
シモンが行けと口うるさく言う地上はカミナにとって故郷でもある。ただ、実はそこで暮らしていた頃の記憶ははっきりしなかった。
あまりにも激しく焼き付いてしまった体験が、それ以上昔の出来事を引き出すのを邪魔している。
だからカミナの記憶の一番最初は夜空を駆けた激しすぎる光とそれによって押し潰された自分と家族の家、そして降り注いだ瓦礫に両親が埋まった場面だ。屋根の無くなった建物から赤く光る巨大ななにかが見えたのを憶えている。
そしてそのなにか、がシモンを地上から引き剥がした原因だった。
地上を監視する者達が送り込んできた兵器は人間達には太刀打ち出来ない代物で、辛うじてシモンが一機を撃退したもののその戦いでカミナと同じ名を冠する首都は半壊した。
そうして廃墟になった街で、住民達は皆裏切られたと思った。
英雄は街を守らず、英雄の恋人は街に宣戦布告をし、…つまりは、爆発もまた英雄が意図して行ったものではないか、と。
不安定な政局と混乱した住民達の中を噂と疑心暗鬼が駆け抜けるのに時間など要らなかった。所詮獣人達の技術を流用した砂上の楼閣でしかない繁栄を崩された時、人間達は皆自分達を導いた者へとその恨みを向けた。何故なら、自分達では敵には絶対に敵わないから。だからその敵と戦わざるを得ない状況へ追い込んだ英雄を槍玉に挙げた。
崩れ落ちた街の中、それでもどうにか人々を救おうと機体を操り救助活動を続けたシモンが司令部へと帰った時、既に彼の処遇は決定していた。
即ち、地上からの永久追放。それが監視者たちが呈示した、100万人のリミットへの対処を行うだけの時間を与える為の条件だった。首脳部は当たり前のようにそれを呑んだ。
あまりに状況がごたついていたために、シモンがグレンラガンに乗せて連れ帰ったカミナを彼から離すだけの余裕は誰にもなかった。シモン自身も身辺の急転振りに子供の処遇をどうこうするだけの余裕が無く、手を離せば却って危ないとでも判断したのか一部始終の間子供を傍から離さなかった。もしかしたら英雄と呼ばれた男でも、一人きりになるのが心細かったのかも知れない。そんな風に考えるのは、カミナ自身の希望的観測ではあったが。
とにかくそうしてシモンはこの艦に閉じ込められ地上を追われた。御丁寧にも首に巻かれた包帯の下には薄皮一枚隔てて爆弾が埋め込まれている。この箱船から一歩でも外に踏み出せば契約を違えたとして爆死させられ、地上へも一斉攻撃が始まるという代物だ。それが埋め込まれる手術を、地上の人間達は誰一人として止めなかった。
取り縋った自分を抱くシモンの腕と、自分達を囲む異常なまでに冷たい目を思い出してカミナは舌を打つ。地上にいた頃の記憶はカミナのたった一人の家族を痛めつけるものでしかなかった。シモンに導かれた人間も、シモンの友であったはずの人間も、皆手の平を返した。
仕方ない、とシモンは諦めて笑う。俺はあの人達を守れなかった、あの人達の大事なものを、あの人達の生活を守れなかったから。
クソ喰らえだ。
連中は自分達では努力せず、全てをシモンに背負わせて、それに無理が来たらシモンを捨てた。そんな連中がのうのうと暮らす場所に生きたいとはカミナには到底思えない。
結局地上を離れるその日まで離さなかったカミナの手を、たった一人しかいない見送りの機械工に任せてこの艦に乗り込もうとした背中が今でも眼裏から消えなかった。一瞬だけその背は誰かの知らない背中と被って見えた。けれどその誰だか判らない後ろ姿はやたらと広くて大きかったのに、シモンの肩は狭くて細くて今にも壊れそうに見えた。
だから、カミナは、預けられた手を振り切ってシモンを追いかけたのだ。一人で行こうとする背中に飛びついて泣いて縋って頼み込んだ。
何処まででも一緒に行く、だから、置いていかないでくれ、と。
一度だけシモンは子供を振り払おうとして、結局それと同じ腕で小さな体を抱きしめた。
その時一緒にいて良いと認めたくせに、今離れろだなんて絶対にお断りだ。自分は地上の人間達とも、薄情にシモンを置いてけぼりにした同じ名前を持つ男とも違う。
自分につけられた名は人間達を地上に導いた男の名なのだと両親は言った。彼を尊敬していたから首都に名を冠したのだとシモンは語った。けれどカミナにとってその男はシモンを地上に引きずり出しておいて全て押しつけて勝手に死んだ身勝手な奴に過ぎない。地上の連中と大して変わらない、そんな奴の名前など迷惑千万だ。
「…俺は、絶対シモンを一人になんてしねぇんだ」
口に出して約束を確認し、カミナは一人きりの艦橋で頷く。決意も新たに自分を奮い立たせ席から立ち上がった足下にぽふりと柔らかな重さが加わった。視線を降ろした赤い目が見開かれる。
「ブータァ?」
語尾の吊り上がった声にぶぃ、と鳴かれ、慌ててカミナは入口を振り返る。案の定、そこにはブータの主が居てカミナは頬を引きつらせた。
逃げたカミナを追うのに相応の時間と体力を消費して、疲れたのか壁に身体を預けたシモンは肩で息をしている。めっきり力が弱くなったぜと一人ごちた彼は更なるお説教から逃げようとする子供の背に声を掛けて止めた。
「…話、あるから。今そっち行く」
だから座ってろと指示されて、渋々カミナはもう一度席に腰を降ろす。それを見て肩で息したシモンは、どっこらせとそればかりは年齢を感じさせるかけ声をあげてカミナの隣に立った。ぎしりと背もたれが鳴ってシモンが体重を預けたことが知れる。ついでに落ちてきた腕がカミナの肩の上に置かれた。
むくれた子供の顔を笑い、シモンは艦橋の正面に映し出された青い光を見つめる。見上げてきた赤い目が同じように前を向いたのを認めて、ゆっくりと薄い唇が言葉を紡いだ。
「…地上は、俺が育ったところで。ここにないもんが色々あって」
体温の低い指がカミナの髪を弄る。シモンはよく、この髪は地上の空と同じだと、宇宙から見た故郷の星と同じ色だと嬉しそうに言うのを思いだしてカミナは渋面を呈した。慰撫する手を止めず、シモンは優しい声をカミナに注ぐ。
「俺が守りたいと思ったものが、あそこにはお前以外全部あるから。
だから、お前にもちゃんと見て、感じて、大事だと思ってほしかったんだ」
俺は、シモン以外には大事なものなんて要らない。反論したかったのに声が出なかった。そんなことを言ったらシモンが傷つくことぐらいカミナにも解る。代わりに、ブータが一声文句をつけた。ああ悪い、お前もこっちに居るなとシモンはくすぐったそうに笑う。
笑ったシモンはまるでカミナとそう年の違わない子供のように見えた。
「男は、な。カミナ」
その幼い顔で、シモンは自分を捨てた世界を負うと今でも言う。
「背に守るべきものを負えば、どこまでも強くなれるものなんだ」
じゃあ俺が、お前を背負う。シモンが地上を守りたいと言うのなら、俺がシモンを守ってやる。その為に刀もガンメンも使えるようになる。誰よりも強くなる。
そう主張すればシモンはきっと困惑して笑うだろう。お前には戦って欲しくないと優しい声で止めるだろう。
「…子供扱いしやがって」
不愉快極まりないと呟いた声に、カミナを宥めていた指が止まった。大仰な溜息が降ってきてますます少年はむくれる。だが続く言葉はカミナの予想を裏切った。
「…なあ、カミナ。
俺がお前を助けたんじゃない。お前が俺の命の恩人なんだよ」
眼を丸くして肩をそばだてたカミナが見上げた先に、優しさ以外は何も無い灰色の瞳がある。いたたまれなくてそっぽを向いた子供の頭がもう一度撫でられた。
「あの時俺は本当になんもなくて空っぽになってて、いつ死んだって構やしねえと思ってて…お前が傍にいてくれなけりゃ、きっと今生きちゃいなかった」
語る声は穏やかで、だからこそカミナの肝が冷える。
「でも、つまり俺はお前に甘えてたってことだろ。一人が怖いからお前を連れてきちまって、それで良いはずがない」
だからお前にしてやれることなら全部してやりたいんだよと甘やかす声でシモンはカミナから手を離そうとした。
「…怖がんな」
その痩せた手首を掴んで自分の方に引き寄せ、譲らない声音でカミナは言い切る。
「俺は、シモンと、一緒にいる。絶対離れねえ」
強情な言葉に一瞬怯んだシモンは、まだそれでも何か言い返そうとした。けれどもう何も言い募らずにかつての英雄は吐息のような声を出す。
「……そうか」
「そうだ!」
ふんぞり返るカミナに苦笑してシモンが膝を折った。子供を抱寄せもう一度青年は頷く。
「そうか」
願いの叶ったような顔をして、なのにやはりどことなく困ったような表情で、カミナは喜ぶか悔しがるか複雑な気分を味わった。
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