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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.05.03,Fri
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2008.05.23,Fri

幼なじみのジョニーが菓子食いに行こうぜ!っていうからOK!っつーたのは良かったが、なんと奴は就職が決定したのであった(*院生だから遅いだけで今までニートだった訳ではないですよ)。
自「そりゃめでてぇ。
  で、どこ?」
ジョ「○○○」
自「アアアアア!ヒルズ族ゥウウウウ!」
そこまで優秀な技術者だったのかよお前!
記念受験で受かっちゃったとか宣ってましたが、そんな能力を持っている奴にわざわざメモリ填めにきて貰ったりしてたとかすごい技術力の無駄遣いであったのだなあ。
ま、まあその度焼き肉とかケーキとか奢ってやってたから勘弁してもらおう。

社長に寝ろだの体調管理しろだの言われてるんですが、寝ようと思って眠れるならいいけどそうじゃないんでちと困る状況です。
そう、寝ようとして寝られるならなあ…


オマケは前に書いてたシモンが17才、カミナが14才でジーハ村というパラレルから冒頭。
8話辺りのところもプロットだけあるけどそこまで書く程のものではないなコレ…
しかしそろそろ何をオマケにつければいいのか、それともそもそもオマケなぞよりちゃんと更新に力を入れたら良いのかが微妙なところだ。







ああもうドジ踏んじまったぜ!
胸中で毒吐き舌を鳴らした途端、脳天に衝撃がきた。予測済みのその痛みは口を真一文字に引き絞って耐えカミナは吊り上げた眼を上向ける。直ぐさまこちらを睨み付ける目とかち合った。
とは言えそんな目つきやこめかみに立った青筋よりも顎の方がよっぽど目につくぜと言ってやろうか迷い、結局実行する前に今度は肩を打たれる。
「なんだその目つきは!反省しとるのか!?」
うるせえ唾飛ばすんじゃねえ。相手が求めているのではない言葉を言う前に今度は下から顎を突かれた。強かに打ちつけられた鞘入りの刀をカミナは目元を歪めたまま眺める。
いつも思うとおり、目の前のオッサンが持つには過ぎた長得物だ。流石村の長の家に代々渡されてきただけある業物、それがこうして懲罰棒の代わりではあんまりというものだろう。
殴られている理由に関しては微塵も思考を割かないカミナに焦れたのか、口端から泡を飛ばしながら村長が怒鳴った。
「お前はどうしてこう毎回騒ぎばかり起こす!
 しかも今回はブタモグラを逃そうとしおって…あれが村にとってどれだけ大事か解っているだろうが!」
事実は腹の出た中年男が騒ぐとおりなのだが、カミナは言われる言葉を右から左に聞き流す。何故自分がブタモグラの柵を壊したのかを告げたところで村長には理解出来ないのだ。
叱る大人を意にも介さずそっぽを向いた少年を見下ろして村長の大きな顔がいよいよ血を昇らせる。今までで一番高く持ち上げられた棒扱いの刀が振り下ろされようとしたその瞬間だった。
「…村長」
いつの間にか懲罰房の入口に立っていた人間が控えめに村長を制止する。自分が出て行く時の為にだろう長が鍵をかけていなかった戸を開いて、止めた彼が中へと足を踏み入れた。それまで閉じっぱなしになっていたカミナの口が相手の名を呼ばわる。
「シモン!」
「…シモンか」
一方、カミナへのものとは意味の違う皺を眉間に湛えた村長も遅れて彼の名を呼んだ。その隙にシモンと呼ばれた少年はカミナの前に立つ。土で汚れた腕が庇うように差し伸べられた。喜色を浮かべたカミナの顔を一瞥し、シモンは溜息を吐く。
「俺からも叱っておくから。
 もう勘弁してやって」
頭を下げて頼み込んだ少年に村長は苦々しいと言わんばかりの表情を見せた。
「いつもそれだ。
 お前が言ってこいつの悪戯が終わった試しがあるか?ん?」
悪戯じゃねえ。叫びそうになったカミナを視線で制してシモンは今度こそ、と更に深く頭を下げる。なんでお前が頭を下げるんだと言いたかったのはカミナだけではなかったのか、村長が大袈裟な程の息を吐いた。
「お前に免じるのもこれで最後だぞ」
「はい」
今回の騒ぎは洒落で済まないところだったと告げた大人に少年は頷いて許しを乞う。
仕方ない、と言いたげに村長が少年達から離れた。許可を得たシモンはカミナの隣に膝をつき、後ろ手に繋がれた枷を外す。拘束が外れた途端勢いよく立ち上がり駆け出そうとしたカミナをしゃがんだままのシモンが制止した。
「カミナ。ちゃんと謝りな」
「けっ」
言われたことを受け入れずに房から出て行くカミナに代わりシモンがまたも頭を下げる。それも気に食わずに早足になる雪駄を作業用ブーツが追った。
「カミナ、飯は」
すぐ後ろまで追いついてきたシモンが抑揚の薄い声で問う。
「…食ってねえよ」
カミナが解ってるくせにとむくれた声で告げながら振り向いた先で藍色の眉が顰められていた。仕事場からそのままきたのか顔は泥だらけで、ゴーグルに守られていた目の周りだけが奇妙に白く浮いている。その中心で灰色のつぶらな瞳が眇められた。
「どうせまた、食事抜きなんだろ」
言われるまでもなく察しているならわざわざ言わせるなとカミナも唇を尖らせる。もう長い付き合いだ、いつもの折檻を考えれば嫌でも予想がつくはずだ。
この村では親を失った子供達を一所に集めて村長の責任の下に育てる。カミナもシモンも親無し子として村長の元で育った。それだけの関係の奴はごまんといるが、特にシモンはカミナの世話役を押しつけられている。一連の顛末は既に日常の一部になっていた。
孤児の間には何となく年齢順に上下関係が生まれて役割が出来上がったりはするが、普通なら世話役などつけない。しかしカミナがある種特別扱いになっているのは彼が病や地震、事故といったありきたりの理由で親を失った訳ではないからだった。
カミナの父は、禁則を破って地上に出た。
伴われた筈のカミナだけが一人この村へと舞い戻り、その後父親の行方は杳として知れない。故に男が足を向けた先は判然とせず、この村ではよく起こる落盤に巻込まれて死んだのだろうというのが定説だった。
だが一人息子のカミナはそれを認めない。どころか真実父親は地上へ抜け出たのだと、伝説上の世界は本当にあるのだと喚き続けた。
壁もない天井もない開けた世界。地上と呼ばれる物語の中にしかない場所。
幾らカミナが騒いだところで信じる大人は居なかったし、子供達も親に習って半信半疑だ。だが親父譲りに行動力が人一倍あるカミナは地上の存在を語り続けることを止めなかったし、あまつさえ毎日のように自分も地上へ出ようと騒ぎを起こす。
村長も暇ではないから年がら年中それに付き合う訳にはいかず、そこで世話役を回されたのがシモンだったという訳だ。年の割に落ち着いていて、天才穴掘り師として早熟にも頭角を現していたシモンは村長の憶えもめでたい。
とは言え年の割に落ち着いているというのはつまり同年代と馴染めず常に浮いているということだ。そして頭角を現すのが早かったのは穴掘りに没頭する時間がそれだけ長かったということでもある。重労働である穴掘りを喜んでやる人間などシモンしか居ない。そして無口な彼は自らの心情を語ることもなく周囲の理解不足は助長され、結果としてシモンもまた村の人間からは敬遠されていた。
信頼されたから世話役を任されたのだと言えば聞こえは良いものの、実際は変わり者二人で一纏めに括られたというのが真相だった。
「仕事が粗いから駄目なんだ」
口を尖らせたまま振り向いたカミナの視線を受け止めてシモンが首を傾ける。灰色の瞳は責めると言うよりは呆れに近い色を乗せていた。
「お、じゃあやってもいいんだよな?」
自分に都合の良い解釈を導いた年下の少年の声は理解を得たと喜色に満ちる。だがシモンは溜息混じりに首を振った。そういう話じゃなくてさ。言い置きながら足を前に出し、少し許り速度を落とした雪駄にブーツが並ぶ。
「なんで飯抜きなのかちゃんと考えろ、てことだよ」
淡々と語る口ぶりは説教とは言い難かった。しかし言葉に乗る感情が怒りではないだけにカミナの耳は痛む。これが村長に言われたのならば自省する気になどこれっぽちもならないのだが、シモンに言われるとなると話は別だった。
「自分の仕事も出来ない奴に、飯食う資格なんてあるわけない」
「うっ…」
声を喉に詰まらせたカミナではなく前を見据えたシモンの眉が寄る。大した表情の変化ではなかったが遺憾を読み取って赤い目が微妙に俯いた。
並んで歩けばカミナの頭はシモンの鼻の前あたりだ。背丈の差は年齢の差に見合わない。
やせぎすのシモンはともすれば女衆より腰も細かった。
穴掘り師は皆そうだとシモンは言う。体が大きくちゃやっていけない仕事だ、と。
確かに狭い場所で作業をする穴掘り師達は皆一様に小柄で、だが筋肉達磨だ。シモンのように細身ではない。
しかしこの稀代の穴掘り師は、そのナリで右に出るもののない技術と怪力を誇っていた。威厳も何もない少年が語る言葉は実績に裏打ちされた重みを持つ。
「水汲み作業の親方に追い出されて、ブタモグラの解体に回ったかと思ったら脱走騒ぎ…どうするんだよ、カミナ」
親を亡くしてからこっち、シモンは自分の技術と労働を対価に村で生き延びてきた。言われた作業をこなして日々の糧を得、ノルマ以上に穴を掘り続ける。
紛れもない実力で身を立てながらただ命令をこなしているだけでもないシモンにはカミナも一目置いていた。そのシモンに論われるのは何よりも堪える。
「穴掘りは苦手なんだろ?」
自分の台詞なら多少はカミナの頭にも入ってくれることを知っているのだろう、シモンの声音が真剣味を増した。
「うぅ…」
唸るカミナは聴きたくないとばかりに頭の後ろで腕を組む。多少なり堪えた表情を見せる彼の頭のほんの少し上からまたも溜息が漏れた。
「今はいいさ。俺がお前の食い扶持をなんとかしてやれる内は。
 でもお前、俺が明日地震で死んだらどうするつもりなんだ」
語り口の比重が不安に傾く。この村では地盤の崩落で死ぬ者が後を絶たなかった。殆ど一日中横穴を掘り続けているとなればシモンもまたそうやって死んでいく可能性が高い。なにより彼自身両親を落石で失っていた。切実に案じてくれている言葉にのろのろ進んでいた年下の足が止まる。
「死なねえ」
つられて歩みを止め、振り向いたシモンを赤い瞳が睨み付けた。
「シモンは死なねえよ、俺と一緒に地上に行くんだ!」
入れ墨の腕が宙を薙ぎ、突きつけた人差し指に年嵩の青年が短く眼を丸めてから嘆息する。見慣れた仕草に肩を怒らせたカミナを見下ろして藍色の頭が揺れた。
「バカ。将来の話してるんじゃないんだよ、明日のおまんまの話なんだから」
意固地な顔で地面を踏みしめるカミナを抜かして先を行くシモンが振り返って肩をそびやかす。仕方なく追いかけてきた幼なじみが肩を並べるのを待って、穴蔵暮らしに慣れきった穴掘り師は年下の無軌道を諫めた。
「大体、何の用意もなくて地上に行ってどうするんだ。
 水も食料もなければ向こうで生きていけないじゃないか」
正論に、だがカミナは満面の笑顔を浮かべる。
「だからブタモグラ使って」
ふんぞり返ってすら見せた彼に与えられたのは呆れたと言わんばかりの嘆息だった。出鼻を挫かれ見上げた先でシモンが眉間と鼻の付け根に皺を寄せる。
「そんなことして残されたジーハ村の人間が、どれだけ困るかちゃんと解ってるのか、カミナ」
淡々と言い連ねる声が耳を痛ませた。自分の進もうとする道以外に気が回らない視野の狭さを指摘されて言葉に詰まる。そっぽを向いて啖呵も失い、幾分気力の萎えたカミナの肩を唐突にシモンが叩いた。
「…カミナ、こっち」
僅かに強ばった口調で作業用ブーツが細い分かれ道を進もうとする。
「なんでだよ?遠回りじゃねえか」
言うとおり、孤児達の居室へ向かうならこのまま真っ直ぐ突っ切った方が早かった。だが、いいからと首を振ったシモンはさっさと横道に逸れてしまう。
訝しみ首を捻ったカミナは、遠くに甲高い笑い声を捉えて委細を承知した。音から距離を察するに、あのまま進めばころころと年齢に相応しく楽しげな空気を纏った女達とすれ違っただろう。
「ブスな女が何言おうと気にすんな!」
駆けてシモンの前に出、にやりと笑うカミナにシモンが憂鬱そうな表情を向けた。よく働くとシモンを評する大人達と違い、若い女達は遠慮無くこの穴掘り師を変人と称する。人一倍働く姿が薄気味悪い、夢中で穴を掘る神経が理解できないと簡単に嘲った。
カミナにしてみれば真剣になることの一つも持たない女共の方が余程くだらない。しかし、シモンは女達の視線や声から逃げるのが常だった。彼は知っているのだ、女達が正直なだけで村の誰もがシモンを変人と見なしていることを。
「シモンはでっけえ男だ!俺には解る!」
ばんばんと乱暴に背中を叩き笑うカミナにシモンは弱く表情を緩めた。
気弱な顔をしていながら彼が真実他人には譲らない芯を持っていることをカミナは知っている。だからこそこの無法者の問題児も、稀代の穴掘り師にだけは一目置いていた。
「…そういや、変なもの掘り当てたんだ」
部屋に戻り、駆け寄ってきた小さなブタモグラを抱き上げたシモンがカミナを振り返る。狭い部屋の寝台に腰を下ろした少年が赤い眸を輝かせた。
「ホントか!?なんだ?見せてくれよ!」
言われたものが何なのかを探るために空色の髪を揺らして部屋を見回す。この部屋にはシモンが穴掘りの最中に見つけてきた珍しいものが山程並べてあった。透明な石、色の付いた石、何かの破片、用途は解らないがとにかく特殊なものばかりでどれもこれもカミナの好奇心をそそる。シモンも、ただ一人自分が持ってくる品を喜んでくれるカミナには惜しげもなく見つけてきたものを見せていた。
「飯食ったら連れて行くよ。デカくて運べなかった」
布をかけてあった皿を取り出し、一人分の食事を切り分けて片方をカミナに差し出しながら請け負う。
「すっげぇ!」
腹を満たすには足りない食事を受け取りながら歓声が上がった。
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