文章を書くには見識が必要だよなあと痛感します。
物語という嘘を築くためにはその中に巧みに現実を取り込まなくてはならず、でもって想像の余地がある媒体だけに読み手とのイメージの摺り合わせもできてなきゃならんのであって、そしたらありとあらゆる知識を持ってて様々な角度からの解釈が出来ないといけないわけで。
取り敢えず自分は無知だなあと自覚はしてるんだけどももっと向学精神を育まねばならぬなあと思います。
で、まあそれを使って書きたいのはお子様の二の腕のふにふにっぷりとか美味そうな飯とかなんですけどね!
連載開始したトリコがうっかり自分のストライクゾーンな漫画で相変わらずあの作者にはしてやられっぱなしです。なんか知らないが自分にはすごい面白いんだよなあ。
そういや文章に関してちょろっと書いたことだし今ここで懺悔しちゃおう。
グレンの文章なんですけどしょっちゅう描写が嘘を吐いています。
一番ヤバイのは色彩関連ですね。シモンとかロシウとか毎度色に関して嘘つきまくりです。ロシウ黒髪黒目って単純に書いてますがアップになるともっと複雑な色味ですよね。シモンも瞳が灰色と確定できるのがキレ表情とかなんで、灰色のシーンは絵的な記号表現かもしれない。
でもあんまり色にこだわった描写してるとセンテンスが重くなるので単純化して誤魔化してます。描写力がないんだ!済みません!
でシモンが灰色ロシウが黒を採用してるのは同じ文字使うとどっちなのか判断つきづらいってのとどちらかというとロシウの方が黒っていう色の純粋さを負ってるキャラだと判断したからです。四角四面、誤魔化し効かない、クソ真面目的な黒。
他にも肌の色とかシモン白い白い言ってるけど実際そう白いか?って言ったらヴィラルどんの方が白い、あとアイラックも確か白い。こう、白さにも色々種類があるんで勘弁してやってください。
あと政治だのなんだのの難しいところとかも話を書くのに都合よく適当ぶっこいてます。ありえねえよバカ!ってお考えでしょうがスルーしてやってください。
管理人からのお願いでした。
…某所のアレはなんだ、プロジェクトXか!?
今この目は伝説を映しておるわ…!
コレを機に例の連作のお蔵入り文書でも晒してしまおうか
オマケつけられたら後でつけておきます。飯食ってくる
→半分寝てたらこんな時間だったので短文を書く暇すらないとか阿呆の所業にも程がある。
昔ちょろっと書いためのこロシウとシモンにおける風呂話の断片を発掘してきたので一応載せておきますね。
つまるところ彼女と自分の間には厚い壁があるのだ、ということを思い知らされたロシウは途方に暮れた。この手の感覚を得たのは初めてではない。隔絶された村で醸成された規範は長い年月の間に独自性を得るに至っており、故に彼女らの常識は必ずしも重ならないのだ。
が、しかしこの場合断固自分の常識に従って貰わねばなるまい。深い息と共に意見を固め、ついでにロシウは拳も固めた。
「いいですか、シモンさん」
相対した藍色の髪の少女は服の合わせを握り涙目でこちらを見ている。あちらも自分の意見を通そうとしているのは明らかだ。シモンの意志の強さはロシウも知っている。こうと決めれば兄貴分をも動かす程譲らない性格の少女は、しかしロシウの厳しい表情を認めて些少狼狽えたようだった。
さにあらん、なにせ今シモンと対峙しているのはロシウ一人ではない。黒髪の少女の一方城にはヨーコを初め黒の兄弟三姉妹がずらり勢揃いしているのだ。皆生まれは違うがこの度ばかりはロシウの判断が圧倒的多数を得ている。五対の瞳に促されたロシウはやや低めた声でシモンに宣言した。
「女性と男性はお風呂を一緒に使いません!」
厳しい声音と視線にひとりぼっちのシモンが肩を震わせる。小動物めいた動作に併せてその頭の上に陣取ったブータが代わりに抗議の声を上げた。鳴き声に力を得たのかどもりつつシモンは訴える。
「で、でもうちの村では、その。家族は皆一緒に入…る…」
語尾は見る間に掠れた。眉間に皺を寄せた女達に囲まれて、元来気の優しい少女が耐えられる筈もない。しかし彼女の規範に従うのであれば家族と風呂に入ることは当たり前でも、そうではない人々に女が肌を晒すことは極めて羞恥心を伴う行為だった。夫婦が裸を見せ合うのもそれは彼等が家族となったからであって、出身の村では婚前交渉は強く禁じられている。男性であれば事情は異なるが、そんな次第なのでシモンはあわよくばカミナの居る男湯に逃げ出そうと…彼はシモンが判断する上では孤児同士という意味で家族として括られている…していた。
勿論、ロシウ以下全く別の常識の元に育った面々にとって看過出来る事態ではない。彼女らにしてみれば、男女が風呂に入ることは禁忌だ。女同士で肌を見せ合うことに関しては恥ずかしさにはおのおののレベルの差があるものの一応許容出来る行為となる。
結果的に彼女らはそれぞれなりの事情でこうして意見を争わせざるを得なくなっていた。
無論、シモンを止める女性陣の中にはカミナに対する恋愛感情を意識している者もいる。誰とは言わないがシモンを止める理由の中には二人の親しさに対する嫉妬心も含まれてはいた。
ロシウにしてみればカミナの破天荒さを鑑み、シモンがありとあらゆる意味でそれに引き摺られ不利益を乞う可能性を無視出来ない。
とまれ、少女五人を前にして縮こまっているシモンにはその内情を察する余裕などなかった。風呂に入らないという選択肢も選べなくはないがリーロンにその有用性と心地よさを吹き込まれた今となっては逃すのも惜しい。唸り声を上げるシモンはますます獣じみて見えた。
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