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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.05.03,Fri
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2008.07.04,Fri
よって、食えない。
なにがってアボガドであります隊長!
アボガドはハンバーグと一緒にハンバーガーにすると美味なのであります隊長!
というわけでハンバーグの余りは冷凍して、アボガドを室温で熟させる作戦を遂行中であります。

しかしどうでもいいんですが、猫というのは身体が柔らかいせいか本当、変なポーズで寝たりします…
まあそこでお腹をつついたり!足を載せたり!といった嫌がらせをするのが小生の趣味なわけですが!
猫には復讐されつつも、それなりに仲良くやっております。


風邪が大体治りまして(二週間近くかかってますね)、オマケやっと復活の兆しです。
とはいえなんか最近「いつもどおり」になりつつあるロージェノム殿とその弟分の人の話ですので、オリジナルキャラに耐性の無い方、嫌悪感のある方はくれぐれもご覧いただかないようにお願いしたく存じます。
すみません、万人向けでなくて…次はもっと、なにか…
ちなみに今回はアンスパさんに負ける時の話を短く纏めて二本立て、一応本数だけ水増しして二本立て、であります。








嗚呼、もう、保つまい。
喘鳴の果てに口端を笑ませながら彼は否応もなく自覚した。身を囲む機械は限界を訴えてアラートを鳴り響かせている。それでなくとも彼の互い違いの色をした瞳は世界がどんな色彩を保つのか捉えきれなくなり始めていた。
振り返るなと告げたあの人はいったい何処まで進んでくれただろう。
どこまでも、と願う心の片隅に、彼の人に並ぶ己をまだ夢想していることを知って彼の笑みは深くなっていた。
本物を見せてやると豪語して連れ出され、本当に宇宙の果てにまで来てしまっている。
それがどんなに素晴らしく、素敵なことだったか。
あの人にちゃんと伝えられたかどうか、それだけが自信がなく晴れ渡っていた筈の心が少し翳った。
例え何度同じ人生の岐路に立たされたとしても自分はこの道を選ぶだろう。
そんな確信と共に彼の身体からはだくだくと生命力がこぼれ落ちていった。
錐のように伸ばされた錐体に貫かれたコクピットは彼をさながら標本の蝶のように貼り付けている。
そんな姿ですら幸せです、満足です、この命を長らえさせてくれて本当に有り難うと彼は神ではなく信じる人へ祈った。
この道を選ばせてくれて有り難う。今にも閉じそうになる瞼も笑みにして彼は心から慕わしい名を呟いた。
「…ロージェノム」
ごぼり、と口の端から血が湧く。けれど“万病”と揶揄のような二つ名を冠された青年はそんなものには怯えなかった。明確に傍にある死にさえも穏やかに、ただロージェノムが進む先だけを思う。
体中から力が抜け、思うようにはならなかった。だが彼はどうにか背と首を伸ばし前を見据える。灰色掛かった視界に映るのが万と重なった同胞や敵の死体でも、その先にあるはずの希望を見いだせると考えていた。
だが、その心は裏切られる。
ちらちらとノイズの走っていたガンメンのモニターが一斉に真っ黒に染まった。電源が切れたのかとの判断を覆し足下の幾つかの状況認識用波形は破損を伝えない。
何事なのかと苦しい息の下見据えた彼に向け、闇が腕を伸ばした。
「…!?」
今や血の気を失った、もとより色白の頬を薄っぺらな指が撫でる。質量がないのに質感はあるその異様に顔を歪め、それでも気丈に青年は判断を下した。
…アンチスパイラル。
あんなにも行方を探し求めた相手がこうして目の前に来たことを察して歯噛みする。しかしだからこそ姿を現した影は、ノイズと同じちらつきを纏いながら焦点の合わぬ眼窩で青年をみつめた。
「異端の螺旋よ」
高くもあり低くもあり、一人でありながら多重にもなる不可思議な声が機能の鈍った耳に滑り込む。
「子を成すでなく、ただ自らの命を繋ぐのみの閉じた螺旋よ。
 故にただひたすら自らの欲望の為に渦巻く、滅びに近き螺旋よ」
淡々と、喚くように、穏やかに、がなり立てる音声が青年の脳を引っ掻いた。お前が邪魔なのだと明確に伝える意志へ向け、青年は光を零す片目ともう一方で抗う視線を投げかける。
もしお前が滅びとなるのなら、…青年が心を寄せる男は言った。
万一そうなれば俺が止めてやろうと。
彼は自分を止めはしなかった、青年を滅びの螺旋とは決めつけなかった。ならば目の前の影の言葉など青年にはなんの意味も持たない。
それどころか。
「────あなた方は、死ぬのが怖いんですか!?」
張り付けられた聖人の有様でも青年の言葉は止まらなかった。触れた影が離れるのを感じながら青年は彼の意志を言葉に乗せる。その度命が削られていくことを実感しながらも語らずに済ますことは許されなかった。
「誰だって死にます、最後は死ぬしかない!」
それが絶対の真理だ。自分に今死が迫っているように、どんなに愛おしい人も、どんなに優しい人も、どんな悪人であっても、最後は命を終えなければならない。その法則は星にも、そしてその彼方にも通用する普遍の真理なのではないかと命短しと定められた青年は考える。
故に。
「だから、満足して死ぬしかないんだ!」
釘のように刺された兵器がぐっと押し込まれるのを感じ取りながらも言葉は止まらない。謳うように願うように、それでも優しく穏やかな声音が問いかけた。
「なのに、自分から可能性を閉じて、終わらせてしまうのは、おかしいことだと思いませんか!?」
ぼたぼたと血がガンメンの足下に溜まる。ぜふりと荒い息が落ちた。包み込む闇は沈黙を落とし、力果てかけた青年の首ががっくりと折れる。
「お前の言葉は詭弁だ」
血に濡れそぼった巻き毛の頭上から愚にもつかないと反螺旋が断じた。
「あなた方のそれは傲慢です」
きろり、と輝く瞳だけでどうにか睨み付けた青年は最後の力を振り絞って叫ぶ。
「あなた方が言っているのは緩慢な死に過ぎない!」
そう、人の進化は結局止めることができない。何故ならそれは生き物の遺伝子に仕組まれた絶対真理だからだ。例え千億の絶望を与えようと人は必ず前に進もうとするだろう。そして人は、自分たちを滅ぼす力を何度も生み出しながらも結局滅びはしなかった。何故なら、遺伝子が滅びるなと命じるからだ。
そして、倫理を越えて生まれいく技術により我が身を滅ぼすような愚かさも人類は持ち合わせていない。そこまで人は愚かな生き物ではなかった。
だが、万に一、億に一の可能性を影は忌避する。数が増えれば増える程確率の上がる“滅び”を回避する為に彼等もまた鋼鉄の意志を醸成していた。
「ならば異端の螺旋よ、汝には即座なる死を」
下された判決は変わらない。新たに一つ生み出された夜色の槍が青年の身体を貫く。生まれつき脆弱な身体は半壊したガンメンと共にその活動を停止した。
「そこまでの力無くば、甘き夢に浸らせ熔ける道を選ばせてやれたものを」
憐憫ではなく嘲笑を与えながら影はその場から熔け消える。
…影は、己が闇でなく影であった理由に気づかなかった。死したと思われた青年の片目からは、まだ僅かに光が零れる。それが闇の中の輪郭を影と定義させたが、そんなことはその時アンチスパイラルにとってイレギュラーにすらなり得ない出来事であった。



そんな余裕など無かった筈なのに、一瞬夢を見ていたような気がした。
走馬燈にしては現実感のないその世界の中で彼は宙賊などではなく昔と同じ精鋭部隊に所属していたように思う。そして任務を終え帰宅した先で、互い違いの瞳の色を持つ少女が柔らかなエプロンの裾を揺らしてお帰りなさいと出迎えた。
あり得たかも知れない、しかし決してあり得ない夢。
それが一体なんだったのかを思う間もなくロージェノムの乗るラゼンガンは崩れ果て、どうにか主人を守った頭部が透明な黒い床へ転がりシャッターが破損した。嫌が応にも床へと滑り出たロージェノムは獣のように唸りながら身体を起こそうとする。まだ出来ることがあるはずだ、諦める訳にはいかない。
脳裏に浮かぶ先ほどの幻を振り払い、前を向いた瞬間だった。
渦巻く両目が見開かれ開いた唇が引きつる。
その前で、ぼたりと音を立てて滑る床へそれは落下した。
どういう原理なのか宙に浮いたよく知る小型ガンメンの中から、モノに成り果てた身体が漏れ出たのだ。
ずぶ濡れの身体は白い肌も重たげな衣装も朱だったはずの黒に重たく塗れそぼる。
無邪気に喜び、無垢に怒り、素直に悲しみ、あどけなく笑う、筈の顔が眠りより深い終わりを浮かべていた。いや、最早浮かぶものなどない。どろどろと床へ黒い水溜まりが広がった。
名を、呼んだはずだった。
声になっていなかった。
咆吼を上げ、姿勢になど構わず四つんばいの有様でロージェノムは人形のようになった細身の身体へと近づこうとする。
触れれば。
触れればどうにかなる。助けられる。お前がかつてそうしたように、俺も命の門をこじ開けよう。そうすれば。
必死の思いは今彼が何を成すために此処までたどり着いたのかすらも忘れさせた。故に一瞬、ロージェノムは彼と彼が求める相手の合間に立ちはだかった影を認識し損なう。
「死して楽になることも、他の世界に逃げることも許さぬか。
 …大した恨みだな」
這った腕が細く脆く、作り物のような白い指を捕らえた。途端身の内に残る全ての螺旋力をその繋がりへと向けようとロージェノムは足掻く。氷めいて冷えた体温も螺旋の力が高まれば再び温まり命を得るはずだった。その実例をロージェノムは知っている。
だというのに、いつまで力を送り込もうとも、ぴたりと閉じた両の目蓋の向こうで煌めく瞳は二度とロージェノムを映さなかった。
いや力が送り込まれていたのかすら定かではない。
…螺旋の力は折れた心に従わなかった。
これ以上はない絶望をすり込まれ、円を描くロージェノムの双眸が広がったまま時を止める。その一方で、未だちらちらと弱い光を放っていた青年の瞳がその場所から次第に崩壊を始めていった。腕の中に遺体を抱くことすら許さぬとでもいうようにきらりきらりと星屑のように散りその姿を欠けさせていく。
「自らの存在を螺旋力と変えたか」
青年により影とされていたモノが闇へと立ち戻りながら呟いた。ロージェノムを誘った夢がいとも簡単に崩された理由を知り、彼であり彼女でもある意志の固まりは不愉快そうに言葉を重ねる。
「死したと思えば、よくもしつこく干渉し続けたものよ」
死んだと確信したからこそこの異端の存在は多元宇宙へと誘わなかった。しかし、命果てても螺旋の力だけは遺して異形は最も信頼する友を多元の世界から掬い上げたのだった。そのために身体の形を保つ力さえ使い果たし、今こうして光の欠片として青年は壊れ行く。そうまでする覚悟に闇は感じるところがないではなかったが、散りゆく友を掻き抱き絶叫するロージェノムを眺めれば嘲笑しか浮かばなかった。
時を待たず、この男は螺旋王として自らの星へ君臨する道を選ぶだろう。宇宙を保つためにはそれが一番正しい道なのだと、意志の元に闇へと成り果てた存在の集合体は満足を感じ取った。
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