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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.11.24,Sun
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2008.09.12,Fri
グレン文章、特殊のめのこシリーズ一応更新しました。
一応、というのはあくまでも状況説明に終始しているため物語としての面白味は無いな、と思ったからです。


オマケはグレパラ04よりチミルフ様とアディーネ様ネタです。
なんか結構前に書いて、あれこれもしかしたらネタ被りかもって放置しておいたんですが冷静に考えたら全然かすって無い気がするのでゴーサイン。
なんでチミルフ様だけ仲間はずれさ!?てすごいギリギリしてた憶えが。






ここのところ俺達“紅い尻尾”は大わらわだ。
それは姉御が遂に、人間嵐大グレン団に立ち向かうことを決意したからに他ならない。
前々から姉御は真っ当に生きてる獣人へ暴虐の限りを尽くす大グレン団を憎々しげに見ていた。いつかこんな日が来ることを、俺達全員は知っていたと言って良いだろう。
その熱が高まった処へヴィラルと名乗る相当の腕を持った男が艦へ乗せてくれと頼み込み、姉御はただでさえキツめの顔を更に吊り上げた笑顔で頷いた。
それから俺達は昼夜なんか関係なくぶっ通しで艦の改造に追われている。
不満はない。あの大グレン団を倒せるってんなら、しかもそれに関われるってんならこんなの朝飯前ってなもんだ。
だけど実際飯抜きでこんな作業を続けるのは無理で、そこで名乗りを上げてくれたのが町でも美味いと評判のパン屋のおやっさんだった。
飯時になると店員の娘さんたちを引き連れてやってくるおやっさんは紅い尻尾の姉御にとって幼なじみだ。だけどいつも顔を見せてくれるのはその所為じゃない。
おやっさんは男気をたっぷり漲らせた獣人で、稼ぎも度外視して俺達のために毎日毎度パンを届けてくれる。その美味そうな匂いだけでどれだけ俺達の意気があがることか。
それにドックには当然、男衆が多いから、店の女の子達が来てくれるのはそりゃあ励みになる。しかも可愛いその子達に「頑張ってくださいね」だなんて激励された日にゃ、ボルトを締める奴も回線を繋ぐ奴もやる気が出るなんてもんじゃない。突貫工事に精密作業、垂らした汗水の行き場に困るような仕事中ですら鼻歌も出ようと言うものだ。まあ、希にどの子とどいつがイイ仲になった、だなんて話で景気よくバカ騒ぎをしたりもするわけだが。
今日も今日とて昼時に明るいクラクションが鳴って、知らず俺達は歓声を上げていた。シャッター向こうに止められた車からおやっさんが姿を現し、荷台のパンを女の子達が抱えてやってくる。
おやっさん自身人一倍の食料を抱えてのしのしとドックへ入ってきた。その迫力はむしろ俺達なんかより紅い尻尾に似合ってるんじゃないかってくらいだ。まあ実際、機械よりも腹をくちくする飯の方がスゲェ部分は大いにある。飯を食わなきゃ生きていけないんだから、生命線を握るおやっさんに気迫がつくのも当然なのかもしれないな。
入り口付近でパンを配る女の子達の仕事ぶりを一瞥して、おやっさんは場を離れる訳にいかない連中の処に飯を運んでくれた。それは工房の心臓部に居る姉御も含まれる。
高い位置に組まれた足場からするする下ろされた紐付き籠の中にドッサリとパンを詰め込んでくれながら、おやっさんは姉御を見上げてニヤリと笑た。
「耳まで食って腹ァ壊すなよ」
職人が食うパンの定番は、二つ折りのパン生地に中にギッシリチーズとハムとトマトソースと野菜を詰め込んだ奴だ。丁度餃子みたいな形になっていて、閉じた処を手に持って食べる。当然持つ手は機械油やらなんやらで汚れているから、手持ちの耳の部分は口にしないという寸法だ。
「誰がンなことするかってんだ!!」
憤慨する姉御の声は俺達に向かう時よりも鋭いような、柔らかいような、とにかくおやっさん用の声になっている。物心ついた頃からの知り合い同士、気心が知れていることは姉御の迫力に一切おののかないおやっさんの態度でよく判った。
「お前はがさつで腹が減りゃなんでも構わない女だからな」
ガラガラと笑うおやっさんの言葉に姉御がレンチを振りかぶる。勿論櫓の上からだからふりだけだ。もしかしたら姉御ならいつか本当に投げるかもしれないけど、道具を大事にしてる人だからどうかな。
おやっさんはやはり気の置けない笑い声を上げて、他の連中の為にパンを配り続ける。
ふん、と鼻息荒く腰を下ろした姉御は口をへの字に曲げて握ったパンを見下ろし、それから足下をずっしりと動き回るおやっさんを眺めた。
「あのお節介焼きが」
パンよりよっぽどそっちを焼いてる数のが多いよ、と毒づきながら姉御はおやっさんの焼いた飯にかぶりつく。いつも自信ありげな笑みを浮かべる口元が、瞬間子供みたいにほころぶのを俺達は知っていた。誰だって、美味いものにありつけばそうなる。
尤も姉御の笑顔がそれだけの理由なのかについて確かめる勇気なんざ、俺達にゃあありゃしなかった。
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