飯は喰いたし、眠気は強し。
そんな感じののらくら雑記帳。
Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2000.11.14,Tue
おかしいショタ緊縛祭だったはずなのに
危うく風呂場全裸正座説教になるところでした。
こっちのロシウとシモンは考え方が似てるけどずれてる所為でよく口喧嘩するイメージ(感覚的に双方シモンが明確に年上)
女子同士だとロシウがシモン病(大体同い年)、男同士だと本編のアレという感じで書いてます。
ロシウ弄られすぎにも程がある…ていうかR18開始のくせにドタバタものやる気まんまんなのはどうかと思うよ自分。
大雨が降って、その日ダイグレンは行軍を止めた。
かねてから一度大がかりなメンテナンスを行いたいという整備の面々の訴えがあり、天候との兼ね合いでそれが認められたのだ。悪天候故外の補修は出来ないが、内部だけでも点検しなくてはならない部位は山ほどある。なにせまだ動力炉ですら安定してくれていなかった。
当然技術者の端くれとなったロシウも師であるリーロンの手伝いでてんてこ舞いだ。ギミーとダリーの世話をヨーコに任せ、一応作業が落ち着いた頃にはもう汗だくの上油と煤まみれという有様でリーロンに盛大に顔を顰められてしまった(…何故かリーロンには油染み一つ無い理由を考えるのは、やめておいた)。
風呂に入ってこいという厳命を下されやっとロシウは一息吐く。確かに酷い姿だという自覚もあった。細かな調整に興味はあったが取り敢えず身なりを整えるために中座する。出る前に格納庫から見た甲板には今も雨が降りしきっていた。
見つめた甲板に何を捜していたのかに気付いてロシウは頭を振る。まさかこの激しい雨天にまで彼女がそこにいるはずがなかった。確かに常ならばシモンの定位置は甲板か自室のどちらかではあるが。
あからさまに人を避けている行動を思いロシウは息を吐いた。ダイグレンを手に入れてから大グレン団の進撃は留まることを知らない。しかしシモンの人嫌いもまた比例するように酷くなっていた。部屋にいる時はいざ知らず、外に居る限りは例え一人でいても常に苛々と機嫌が悪い。
前は、あんな人じゃなかった。
とぼとぼと廊下を歩みながら考え、次いで思い出さなくていいことまで引きずり出されてロシウは背中を跳ねさせる。脳裏に浮かぶ白い肌、指先に思い出せる柔らかな感触、肌に染みこんだ体温、なによりもあまりにも激しい快楽を忘れることは難しかった。自然足が速まり、ロシウは彼にしては乱暴に脱衣所の扉を開く。
貼り付いた服を籠に放り、彼は唇を噛んだ。シモンはあの行為を暇つぶしだと言った。ロシウにとっては大きな意味のあることも、彼女の中ではさほどの重さを持たない。
旅路の内に少しは親しくなったと思っていたのに結局彼はシモンのことが欠片も解らなかった。確かに前から人見知りの気はある人だったが、自分やギミー、そしてダリーとはそれなりに早い段階でうち解けてくれていた…はず、だ。
なにかと不慣れな三人に地上のことを教えてくれたのは彼女だった。ロシウがリーロンに学んでいる間双子の面倒を見てくれもした。
例えその優しさが事務的なもので、親しさが自分の思い込みや勘違いだったとしても少なくとも前はあんな風に病み人めいた目をしてはいなかったのは確かだ。
特に絶対、あんな無茶なことは…脳裏にこびりついた映像をロシウはどうにか追い払う。
何がああも彼女を荒れさせているのか判断はつかなかった。今や彼女のことを考えれば悩みばかりが後ろをついてくる。前がどうだったのかも定かには思い出せない程だ。
身体の汚れと共に悩みも落とせればいいのに。叶わぬ願いを思いながらシャワールームに続く戸を開き、…そしてロシウは硬直した。そこに居てはならない相手を認め思わず叫ぶ。
「シモンさん!?」
ダイグレンはもともと獣人の大ガンメンだった。よって乗る者は獣人の軍人だけで、どうやらそれも男所帯だったのか設備は充実しているものの風呂場は一箇所にしかない。よって大グレン団は女性と男性で時間帯を分けることにより棲み分けをしてきた。
まさか自分は時間を間違えたのか?一瞬思い、しかし入浴を促したリーロンがそんな間違いを犯すはずはないと否定する。
だが現実、彼女は一糸まとわぬ姿でそこに立っていた。
「な、なんでっ!」
回らない呂律で訴えつつ視界を横に逸らす。しかしロシウの努力も意に介さずに、シモンは濡れた自分の髪を指で弄んでいた。
「シャワー浴びてたに決まってるじゃないか」
当然のこと、を告げる口調は素っ気ない。決して嘘は吐いていないだろうが求めていた内容とも違う言葉にロシウは顔を顰めた。そうではなくて。否定しようとした言葉は出かかって止まる。
言うより前に人の、それも男達の声が脱衣所から響いてきたことに気付いたロシウは跳ね上がる。当然シモンの耳にも入っている筈なのに彼女は何事もないような顔をしていた。ひったくるようにして細い腕を掴み、そのまま一番奥の個室に押し込む。続いて中に入り後ろ手で扉を閉めたのと、遠かった声がクリアに聞こえるようになったのは同時だ。どやどやと入り込んでくる足音と喧噪にロシウは身体を緊張させた。
「だからよー、そりゃあ」
中途半端な部分から捉えた会話の内容など掴めない。だが誰がそこにいるのかだけは声で解った。
ゾーシィ、アイラック、キッド。
三人とも大グレン団に加入したガンメン乗りだった。シャワールームの戸が閉められる音も三つ、それ以外には居ないらしい。
一度入ってしまえばすぐには出てこないはずだ。今の内にシモンを外へ戻さねば。
思い、もう一度引こうとした腕が逆に引っ張られた。驚いている内に体勢が崩れたたらを踏む。
肩口を押され奥壁に身を預けたところで頬を撫でられた。誘導された視線がシモンの灰色の瞳を覗き込む。相変わらず何の感慨も含まない双眸に映り込んだ自分の顔は当惑しきっていた。
表情が如実に浮かべる疑問を与えられておきながらシモンは答えない。代わりに息が触れるほど顔を近づけ囁いた。
「…狭いとこ、好きなのか?」
質問の意図が分からず何をと言いかけた唇がシモンのそれで塞がれる。体重を掛けてロシウの背を壁に押しつけさせたシモンの手指が少年の胸元から下腹までを撫で下ろした。
くすぐったいだけとも言えない感触に総毛立ち、思わず上げた声はシモンの喉の奥へと消える。
落ち着かない黒い瞳が離せと訴えるのと同時に濡れた指がロシウのペニスを摘んだ。
「…!!」
逃げようとして後頭部を強打し、視覚が白く染まる。小さく呻く彼を慰めるように性器の根本から先端までをシモンの指先が辿った。
「シッ…!」
呼ばわりかけ、ロシウは大慌てで自分の口許を覆う。幸い他の個室では既にシャワーを使っていて、水音がここから漏れるものを上塗りしてくれていた。
それでも落ち着かなさは変わらずに天井に近い位置にある仕切りの隙間に目を向ける。こんな場合ではないと焦るロシウとは正反対に、周囲の状況をまるで気に掛けないシモンが自分と背丈の変わらない少年に枝垂れかかった。
何の遮りもなく触れ合うのはこれが初めての筈だった。
しかし故に男に比べ柔らかな肌を知覚すれば触れてはならない記憶が呼び覚まされる。それが自分にとって快として分類されていることを敬虔な少年は嫌悪した。
歯を食いしばり、目蓋をきつく閉じ、そうすれば逃げられるとでも言うようにロシウは身を固くする。だがシモンにとってそれは行為を促す態度だった。
皺が寄った鼻の付け根に甘やかす仕種で唇を落とした娘は身体でロシウを壁へ押し出す。平板な少年の胸に体型の割に豊かな乳房が擦れ、二人の身体の隙間を惜しんで形を変えた。制御出来ずに高鳴るロシウの鼓動に落ち着き払った脈が重なる。
風呂場の湿気でしっとりと保湿された肌は形を保とうとする乳の弾力と裏腹に他人の皮膚に吸い付いた。まるで表皮を癒着させる気でもあるかのようにシモンは背中をうねらせて薄い胸板の上でのの字を描く。刺激でたち上がった先端がロシウのそれと触れ合い、彼の指は滑る壁を引っ掻いた。
離れてくれと喚きそうになってどうにか耐える。浴場にいる男達に自分達の状態を知られるわけにはいかなかった。行為そのものがモラルに反している上にシモンの裸身を彼等の前には晒せない。
とはいえまさかこんな場所でこんなことに耽溺するつもりなど彼は毛頭無かった。
「シモンさん。離れて」
どうにか囁きに収めた声で頼み、肩で少女に下がるよう促す。ロシウのまだ性別をはっきりとは知らせない脚、その間に 自分の下肢を割り込ませ擦り上げようとしていた仕種が止まった。
安堵するロシウの顔を見てシモンは不思議そうに瞬きを繰り返す。今にも延びて少年の反応しかけた性器に触れようとする指も弱くはたかれ留められた。
「…しないのか?」
首を傾げる所作はどこと無く幼く、ロシウより年長には見えない。だが囁きが示したのは紛れも無く性交だった。
「しませんっ!」
耳まで赤いことを自覚しつつそれを振り払うためにぴしゃりと言い切る。断乎とした主張にますますシモンは首を捻った。
「じゃあ、なんの為に連れ込んだんだ」
危機感なくのったりとした質問に余裕なく勢いこんだ答えが戻る。
「つ、つれこむとか言わないで下さいよっ!」
悲鳴に近い一音目を抑え小声で叱った少年に藍色の眉が顰められた。口許に手を置き考え込む動作を見せ、結局解答が解らず同じ問いかけを繰り返す。
「なら何だよ」
自分の感覚が常識的だと疑わないロシウはなんで解ってくれないのかと喉の奥で唸った。そうでもして拍を置かねば大声が出かねない。が、すぐに応じない年下を眺めたシモンは鼻白んで半身に構え、直後に一人勝手に納得した。
「…ああ、洗えってことか。解った」
ロシウの否定を待たず自分の言葉に頷きながらシモンは壁に備え付けられた石鹸のポンプに手を差し伸べる。そもそも石鹸などというものが存在しない村から出てきた彼等にとって文明の進化はあまりにも急激なものだったが、それを論議する暇はなかった。
「あの、シモンさんそうでなくて」
ギミーダリーの世話を焼くのと変わらない態度の少女を押しとどめようとしてからロシウは慌てて彼女に背を向ける。距離が近すぎるのとそれ以前に解決すべき事柄が多すぎて忘れていたが今は己も相手も全裸だった。見られたと考えるべきなのか見てしまったと言うべきなのかも解らないままとにかく目を背け正面を隠すため手っ取り早く体勢を入れ替える。
シモンは向けられた背中にどろついた白い液体を絡めた手を伸ばした。ぬるぬると奇妙な感触を残して肌を這い回られてロシウは身を揺らす。
「動くな」
遠のこうとする彼を叱りつけ泡まみれの両の掌が肉付きの薄い腹に回った。その気はないのだろうがくすぐるような動きに腹筋が引きつれる。それもシモンには邪魔と映り、年下の反抗を閉じ込めるべくぺったりと背筋に抱きついてきた。ふにゃりと密着した乳房がスポンジ宜しく泡を立てる。胸元から腹を撫でさする手指の動きに従ってシモンが軽く屈伸する度に背骨の左右を胸乳に慰撫された。柔らかな肉の感触に混じる硬い部分がなんなのかに思い至って慌ててロシウは首を振る。考えを追い払う為の動きに従う束ねられた黒髪が目の前に踊り、また邪魔をされたシモンが少年の肩を顎で押えた。髪を解かせるため片腕を離して紐を抜き取る。動かないようにもう一度注意しようとして彼女は自分が踵を浮かせていることを知った。
「…背、伸びた?」
幽かに不満を滲ませて尋ねながら細い腕が腹を抱く。体の厚みを確かめる為の動きは逆に甘えつくような格好に見えたものの、本人達には解らなかった。
「シモンさんはちゃんと食べないから伸びないんですよ」
這い回る手に思考の容量を奪われてか常日頃の心労を口走り、言ってから音漏れの可能性に青ざめたロシウのヘソの上を指が辿る。
「穴掘り師なんて皆こんなもんだ」
下腹を滑る手が申し訳程度に生え始めた毛に引っかかる。そこにも泡を絡めた挙げ句、指はあろうことかその先にぶら下がるものまで撫で下ろす。
「ひっ…!」
「…ロシウ、結構早漏だよな」
息を呑む少年を彼が知らない単語で評し、シモンは少なからず反応を示している幹を爪で引っ掻いた。鈴口まで昇った人差し指の先が窪みをつつき他の指が器用に粘膜を弄りだす。きつく捻られたはずが石鹸のぬめりに緩和された。居ても立ってもいられない感覚にロシウの足がたたらを踏む。足下に溜まった泡で滑りそうになり慌てて両腕を壁についた。
転倒を回避して一息吐いた彼が安堵している閑は無い。後ろから手出しするのに難儀していたシモンがこれ幸いに壁とロシウの間に回り込む。正面に膝立ちになった彼女の、泡にまみれた裸身が嫌でも視界に収まった。薄暗いコクピットの中でも白けて見えた肌を水滴がなぞっていくところまで目につく。胸の谷間に詰まった泡に吸い込まれていくところまで追いかけて我に返った。
しかし諫める間もなく石鹸を塗りたくられているシモンの手がロシウの内股へ泡を広げる。浮いてきた汚れを泡ごと指で刮げ、脚筋を揉みほぐしながら指先は足首まで降りていった。織り交ぜられた普通の洗身に(既にこの年にして他人と風呂に入っている時点で明らかに"普通"ではなかったが)ロシウは逆に目を白黒させる。止めてくれとも言えないでいる彼は瞳を閉じるくらいしか取れる対策が無くなった。
しかしそれが対策として功を奏したのはもう一本の脚を洗い上げられるまででしかない。光景を否定したせいでシモンの触感と体温を無駄に細かく受け取っていたロシウはまたも股間を握られて呻き声を漏らした。
抗議の色を浮かべて開いた瞳に映り混んだ少女が面倒くさそうに顎をしゃくる。声を隠したがっていることはちゃんと解っているらしい彼女は囁きでは届かないと判断したようだった。灰色の眼を辿ってカランに辿り着いたロシウは言われるまま蛇口を捻る。
応えて頭上から降り注いだ湯が耳に入りかけて横向くのを止めた少年はまたも上からシモンを覗く羽目になった。湯と混じり合う泡が排水溝に落ちてごぽごぽと音を立てる。
「…なんだぁ?他に誰かいんのか」
危うく意識から放り出しかけた存在に割り込まれ、ロシウは壁についていた手が離れる程体を跳ねさせた。隣、ではない。幾つか離れた位置の個室から声を掛けてきたのはキッドだった。無言で居る訳にもいかずに声を裏返しかけながら見えもしない頷きを返す。
「は、はい」
「その声はロシウかな?」
一言で見抜いたのはアイラックらしかった。居るなら声かけろよとキッドが相棒の語尾に重ねる。だるそうに、ダイグレンの補修は終わったのかと訊いてきたのはゾーシィだ。
「いえ、あの…まだ全てでは」
「こんなとこで油売ってていいのかよ」
「かなり汚れたので、一度洗ってくるように言われて」
律儀に返した答えにそうかと気のない声が戻る。短い会話の結びに自分達はもう出る、と告げられてシモンに気づかれるのではないかと冷や冷やしていたロシウの顔が明るくなった。証拠のようにがらりと個室の扉が音を立て、男達はどやどや騒がしく去っていく。胸を撫で下ろしたロシウを見上げていたシモンは手慰みに自分の髪を弄り、それからまた顔を上げた。
「連中に遠慮してたのか?」
「は?」
またも手前勝手に解釈した言葉に黒い瞳が丸くなる。理解の正誤を問わずにシモンは石鹸の落ちたロシウの太股から指を辿らせ髪と同じように黒い縮れ毛を梳いた。揺れた腰に構わないまま彼女はもう一方の手でロシウの陰茎を握る。
シモンの曲解に気づいたロシウがそれを引き剥がすより早く、寄せられた唇から零れた舌がくびれを舐めた。
「ちょっ…シモンさん!!」
折角収まっていたものがまたぞろ反応し始め焦ったロシウの声が浴場に反響する。タイルを叩く水滴の音が掻き消された。が、叱咤された方は意に介さずかぷりと粘膜部位をくわえる。形を確かめるように添う舌と口腔は熱く湿って境界線をぼやけさせた。折角洗った少年の皮膚が汗を纏う。ロシウは壁から掌を剥がそうとして体勢を崩しかけ断念した。
「シ…モン、さん、はなしてくださ…っ」
訴える声は口だけでなく手まで動員されて切実さを増す。筒の形でペニスを包み上下させる指も吸いつく舌ももれなく少年を追い詰めた。がくがく震えだした背筋が限界を訴える。まともに自慰すらしたことのない彼に与えられる刺激としては過ぎたものだった。ロシウが耐えていられるのは彼の類い希な自制心のお陰だろう。それが幸か不幸か本人にも判断はつかなかった。
「…出せばいいのに」
歯を食いしばってもう文句も言えず、きつく瞼を閉じて頭を振る。その様に呆れた顔のシモンが吐いた息にすらびくりとロシウの半身が揺れた。
「出すの、嫌なのか」
素っ気なく尋ね、シモンは揃えた人差し指と中指で反り返ったものの表面をするすると撫でる。危うく溜め込んだものを溢れ出しそうになりながらされる方が一も二もなく頷いた。肯定を見て取った娘が早漏って言ったの気にしてるのかとピントのずれた問いを重ねるがそれに応じる余裕はなかった。
確かに気持ちは良い、がそれに身を任せる訳にもいかず焦れたロシウの足指がタイルの上でじたじたと悶える。肩を竦めたシモンはすぐ手元に落としていた紐を拾い上げた。黒髪を括っていた紐の端を歯で捉え、もう一方からロシウの肉棒の根本に巻き付ける。
「ふへ?」
何をされたのか判らず思わず見開いたロシウはシモンによって自分の性器が縛り上げられる様を認めて泡を食った。
「な、なにをっ…!」
狼狽える声を聴きながらシモンは事も無げにこれで出ないからと請け負う。何故こんなにも扱う問題の位相がずれるのか涙目になるロシウの目の前で今度はシモンが自分の乳房を脇から持ち上げる。次は何をするつもりなのか見逃せなくなってしまったロシウのそそり立つものを柔らかな脂肪が挟んだ。頭に入ってきた映像の理解を拒む理性を性器から雪崩れ込んだ快楽が押し流す。
熱の籠った息を吐いたのと、冷水を浴びせるように脱衣所からの扉が開くのは同時だった。
「ロシウー?」
「…っ!」
呼ばわる声はいなくなったはずのキッドのものでロシウに肝を冷やさせる。はい、と蚊の鳴くような調子でどうにか喉から押し出した。
「あのさあ、俺のキッドナックルのことなんだけどさ、右腕の関節の調子が悪いっつっといたけど直ったか?」
後にしてくれと喚きそうになる少年の事情を気に留めないのはガンメン乗りの共通事項なのかやわやわと胸に揉まれていた勃起の先をシモンの舌が掠める。ロシウはキッドへの回答が出る直前に息を飲み込まされ、流しっぱなしの湯まで口に殺到してきて咳き込んだ。
「どうした、大丈夫か」
「な、なんでもありませんっ!」
かぶりを振っての否定にそうかと素っ気なく相槌を打ったまま追及するそぶりはない。男の大雑把さに今は感謝しつつ少年は思考をやりくりさせた。雨はしばらく続くだろうというのがリーロンの見立てで、その間は獣人も活動が鈍いのではないかというのはダヤッカの見立てだったはず。ガンメンの整備も基本的には明日に回すはずだと思い出せたのは奇跡的な集中力だった。心なし早口に伝えてしまえばそれ以外に用事もないキッドは任せたと言いながら扉を閉める。
闖入者が去ったことを喜んだ直後、曲がりなりにも会話で逸らされていた感覚が背骨を駆け上がってきてロシウは言葉を失った。腹の下に溜まったものが出口を求めて暴れ出し、堰き止められている根本が痛みを訴える。身の危険を知らせる信号は急所ともなれば余計に激しく行き帰るらしかった。
「いたっ、いたい、です、シモンさっ…!」
泣きつくロシウの勃起を含んだ口は答えない。俯き熱心に胸と舌で少年を嬲るシモンを引き剥がそうとしても体重を支え続けた腕は痺れて固まってしまっていた。従って自力で紐を解くこともできない。
体の要求に応えれば自分で作った禁を犯すことぐらいはロシウにも判った。だがこのままでいれば腫れ上がった性器が壊れるのではないかという恐怖が彼を追い詰める。質の悪いことに身の内に巣くう体液が彼に与えるものは痛みだが、解放した後に来るものはそれ以外であることをもうロシウは知っていた。
シモンの片手が手持ちぶさたに紐の端を弄ぶ。ちろりと舌をはみ出させて亀頭を舐める唇は笑ったようだった。
「でも、出したくないんだろ?」
ロシウの意向を尊重する口ぶりで確かめてからシモンは吐き出す動きを示しているのに射精出来ないでいる鈴口を吸う。耳に入り込む声の甘さにおののき、ロシウは鼻を鳴らした。
痛くて痛くてほんの少しだけ気持ち良い、とにかくそれから逃れたい。
「だ、…っさせてくださ…!」
戦慄いた唇は勝手に叫んでいた。
こくりと素直に頷いたシモンがひっぱるだけであれだけきつかった戒めがなくなる。彼女はだめ押しとばかりにロシウのものを奥まで頬張り、音が立つほど吸いついた。唾液の溜まった温かい肉の感触を味わう暇も無くはち切れたものから吐精が始まる。
気持ちが良いのかもどうかも判断がつけられずに翻弄され、まさに精気が抜けたロシウの膝が折れた。シモンの口から精液まで引き摺り出しながら性器が離れる。
湯の溜まった床の上に崩れたロシウを見ながらシモンは白く汚れた口許を拭った。飲み込まないまま落ちた精液が胸の付け根に白さを上塗りする。脚を投げ出して背をたわめたロシウはそれを見ないまま痺れた手で顔を覆った。
「…ロシウ、いつも泣くんだな」
誰の所為ですかと怒鳴りたくてもいつの間にか始まったしゃくり上げが止まらない。
「そんなに痛かったか?悪かったよ」
やはり奇妙な推察を見せたシモンは雨のように落ちてくる湯で指を清め、首筋に貼り付いたロシウの黒髪を剥いだ。優しい手つきで撫でられる頭が痛んでロシウは余計に噎び泣く。
「さきっ、出ててください…!」
そう頼み込むのが精一杯だった。人を呼ぼうかと心配そうに尋ねる声は前に耳慣れていた少女のもので余計に悲しくなる。
翌日、ロシウは高熱を出して寝込んだ。
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