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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.11.24,Sun
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2008.05.08,Thu
いつまで経っても更新が出来ないので、一応書いたけど文章が気にくわなくてどうしたもんかと思っているショタニキの一部晒しておきます。
ごめんなさいこんなんばっかりで。
もっと丁寧な描写か、ズバッと本質を抜き出せる筆力が欲しいんよ…。

どうでもいいけど単にショタニキとへこたれシモンが一緒に風呂に入ってるだけとかそういう話というより情景描写的なものはそれこそおまけとして載せたらいいんじゃね!?ってやっと気づきました。






面を拝んだら絶対殴ってやる。一発と言わず気が済むまで。
そんな風に考えていたのだ。
シモンを一人地球から放逐した男。反螺旋に唯々諾々と従った男。
箱船で何が行われているのかなど知りもしないだろう総司令。
テッペリン攻略の熱狂も、カミナシティ暴動の狂騒も知っているくせに、空気に飲まれた人間がどこまで染まってしまえるのか解っていない総司令。
囚人と看守の絶対的な立場の差がどれだけ看守を傲慢にさせるかを身を以て知っている自分だからこそ突きつけねばならない現実があるはずだ。
シモンが憎い、シモンは期待を裏切ったと口では言いながらその実逆らう力を持たないシモンをいたぶるのを楽しんでいた連中のことを。
シモン一人で背負いきれるはずもない責任を彼に押しつけたその罪を。
自分たちの罪から眼を背けるその弱さこそが自らに滅びの前兆を呼び込んだという事実を。
この拳で教え込んでやらなければならないはずだったのだ。
「…あなたは、なにも、解っていない」
お前を許さねえ。
地上に降りて一年程、遂に見えた男へと叫んだ言葉は広い部屋に空しく響いた。
ガラス張りの室内へ注ぐ眩しい日の光とは対照的に重い空気がカミナの肩を押しつぶす。挙げ句与えられた言葉にいきり立ったカミナをロシウ・アダイは冷めた目でいなした。
「地上に来て何を学んだんです?
 五年…いや、六年前の状況は?
 我々に打つ手がありましたか?
 あの人が差し出された意味を考えたことは?
 あの人が差し出されなければならなかった理由に思いを馳せましたか?」
淡々とした声、眉を上げもしない表情が勘に障る。顔を歪めたカミナは彼を連れてきた双子が止めようとするのも聴かずに広い机へ駆け寄った。荒く両手をついた仕草にも音にも黒目黒髪の男は揺るぎもしない。
歯牙にも掛けられていないのだと判断してカミナはいっそう吠えた。それが手負いの獣の行いだということも忘れて。
「…うるせぇ!馴れ馴れしくシモンのことを話すな!
 お前がシモンを追い出したんだろ!?だからそこに座ってんだろ!!」
机に乗り上げる勢いの子供を真っ直ぐに見つめ現総司令は同じ言葉を繰り返した。
「あなたは、本当になにも解っていない。
 なにも考えていない」
バカにされたとつり上がる赤い眼は、机上で組まれた大人の指が己の肌に爪を立てていることを遅れて認めた。食い込む爪は今にも皮膚を破こうとしていて、その意味を理解しようとしない子供を狼狽えさせる。
まだ幼さを残した腕が惑って宙に浮き、その意識の隙間にロシウ・アダイはたたみかけた。
「本当にそんなに単純だと思っているんですか?
 僕たちが憎くてあの人を追い出したと?
 そう、本気で考えてるんですか」
そのはずだった。そうでなくてはならなかった。
そうでなければ何故仲間だったシモンを追放できる?シモンをあんな環境に置いておける?まともな神経なら出来ないことなのだ。少なくとも、カミナにとっては。
机を離れた手をきつく握りしめ子供は腕を振り上げた。
「辛ぇってんならやらなきゃよかったじゃねえか!!
 やりたくねぇことなら死んでもやるな!誤魔化してんじゃねえんだよこのデコ助!!」
叫びと一緒にテーブルへ飛び乗り脇に積まれた書類を蹴散らす。なにをしようとしているのか気づいた双子と、左右に揃った眼鏡と、おそらく入り口近くで黙っていたリーロンもカミナを止めようとした。しかし彼の俊敏さは本人をも凌駕する。
まずいと思った。拳を止めなければいけなかった。
感情にあかせて気に入らない奴を殴るなら、シモンを痛めつけた連中と同じだ。
思い至った刹那に拳は相手を捉える。黒々とした瞳はその挙動を認め、だというのに受け入れた。鈍い音に重なって後ろから双子に押さえつけられる。
だがカミナはそれを振り払うことさえ忘れた。
仰け反った勢いで外れた襟はすぐに総司令自身が正してしまう。しかしその向こうにカミナは見てしまっていた。見るべきではないものを。
力の抜けた少年をギミーの腕が机から引きずり下ろす。愕然と見開いた赤い眼を、寄り添っていた少女から濡らしたハンカチを受け取ったロシウが見つめていた。
その視線に戦きながら、それでも見てしまった彼は問わずにはおれない。指さす手が震えいつもの快活さを失った声が喉を揺らした。
「…お前…その、首の…」
シモンの、と、同じ。
そこまで言い綴ることは出来なかった。
力なくぱたりと腕が落ち、小さく縮んだ赤の瞳がゆるりと広がる。
その様をやはり真っ直ぐに眺めてロシウは双子に拘束を解くよう促した。一歩下がった二人の支えを失ってカミナはたたらを踏む。
「…賭を、したんですよ。アンチスパイラルのメッセンジャーとね」
堪えて立った少年がまたぐらつきそうになりながら頭を上げた。青ざめさえしたその顔はそうでありながら先を促す。聴かないではいられない彼へ静かな声が語りかけた。
「アンチスパイラルは螺旋の力を討ち滅ぼす力が欲しかった。完膚無きまでに消し去る方法を探していた。
 …その為に、シモンさんが生き続けることを望んだ」
広い窓の外で輝く月を見遣り、目元を歪ませたロシウをカミナが食い入るように見る。
「比類無き螺旋力がどこまで絶望を知れば諦めるのか。それを計るためにあるのが箱船です」
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