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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.11.23,Sat
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2008.06.13,Fri

身体の不調が洒落だかネタだか判らない状態なんですが、それもあって更新作業が遅れています(あとオリジナル書きたいなあっていうのもあるのかな?いやそれはあんまり関係ないか)。
本来なら既にNGログが開設されているはずだったのですが…済まんNG、絵を頂いた身分でこのていたらくでござる。
それにしてもNGの絵のなんというおっぱい率!

ていうか連作止めてるのが一番ヤバイ、早く書かないとマズイ!
めのこも実はもう二ヶ月書いてないんですね!?
ヤバすぎる、次の話途中まで書き上がってるからって油断してた、もう土下座とかそう言う問題では無い。
めのこは海の話→シトマンドラ戦→カミナとシモンの短いの
を済ませたらもう三部の方に入ってしまおうと思っています。
シトマンドラ戦をどうやって短く切りつめるかが課題の状況です。
繋ぎのシーンをそぎ落として、場面場面を連作的に列挙して…という形で進めるのが一番早い…かな…?
しかし文章の見せ方としてそれが自分のスタイルに合致しているのか、という悩みが尽きない状態です。
でもなにより早く書いて見てくださってる皆様に少しでも楽しんで頂くのが一番なんですが!
その為にスタイルを…探しているんだけど…も……うーむ。
ああそういや大昔にも騒いでましたが、女性なチミルフ様と男性なアディーネ様のネタを今度オマケにつけてもいいでしょうか。止められない限り、おそらく高確率でつくと思います。予定は未定。
暴走ばかりで済みません。


今回はキノンどんとロシウの話ですよ。時間軸がちょっとアレなんですけど小ネタだから許して頂ければ幸い。
この二人はシモンとニア同等、もしくは自覚的であったが故に更に、ガチで人類のために命を賭けていたド根性カップルだと思っています。







晴天のその日ダイグレンはいつもの戦艦としての役割から生活空間の色を濃くしていた。甲板にはありとあらゆる色の布の類が風になびいている。清潔にあまり気を配らない男連中に我慢できなくなったのはヨーコで、男のだらしなさに慣れたキヨウがそれを宥めながら洗濯物を集めて歩いた。
量が多すぎて乾燥機だけでは手が回らずに広い甲板へガンメンで綱を渡して布を引っかける。なんで女ばかりが、と性差別をぶうたれるキヤルに苦笑しながらキノンも衣服を干すのに精を出していた。
皺の寄った服を広げて掛けて、その繰り返し。黒の兄弟の次女は単純作業はさして嫌いではなかった。今や日常となった土煙や硝煙の臭いに比べれば洗濯物の匂いのなんとかぐわしいことか。
小物をあらかた片づけて、残ったシーツを広げようと抱え上げたところだった。
「手伝う!手伝う!」
「ダリーも」
キノンの足下でぴょこぴょこと、小さな女の子と男の子が跳ねる。そう言えばさっきからきゃらきゃらと楽しそうな声を上げて甲板の上を駆けめぐっていたことを思い出してキノンはくすりと笑った。
「遊んでてもいいんですよ?」
優しく告げた言葉に、それでも満足しなかった双子が両腕に抱え上げられた布へ手を伸ばす。二人の体重が掛かってずるりと落ちかけたそれにキノンがバランスを崩しかけた。
あ、転ぶと思って身体を捻る。双子に被さらないようにキノンは甲板へ腰を落とし、双子は尻餅をついた。痛みもないのかぱちくりと瞬きしてギミーとダリーは布を両手に持ったままぽかんとしている。ケガはなかったらしいとキノンが安堵しているところへ、少し離れた位置から声が響いた。
「ギミー!ダリー!」
声変わり前の少年の声は少しだけ厳しい。洗濯物の波の中を掻き分けてやって来る少年の心情を察知した双子がばさりと布を被って隠れた。布を少しだけ持ち上げたギミーが、しーっと人差し指を立てて見せてからまたシーツの下に隠れる。
それに遅れてやってきたロシウは、ぺたりと座ったままのキノンと布の固まりを見つけると小走りに寄ってきた。
「大丈夫ですか?」
心配そうに言って手を伸ばすロシウに、慌ててキノンは立ち上がる。
「う、うん。なんでもない、です」
身体をひねってみても痛みはなかった。大丈夫だと示すとロシウは安堵した顔で良かったと漏らす。そうしてから彼は急に眉をつり上げ、勢いよく腕を下ろして転がるシーツを引っ張った。
きゃあっと怖がっているのか楽しんでいるのか判らない悲鳴が上がり、ギミーとダリーが転げる。それを見つけてため息を吐いたロシウが、しかめっ面でそれを見下ろした。
「皆さんの邪魔をしちゃいけないって、あれほど言ったじゃないか」
叱る声音に双子はもう一度布に隠れようとしたのをやめて、しょんぼりとロシウを見上げる。
「邪魔してないもん、手伝おうとしたんだもん」
ただギミーの方はなんとか言い訳しようとして、助けを求めるようにキノンを見つめた。え、と喉から音の漏れた彼女にロシウの生真面目な瞳も注がれる。
「え、えと。うん、本当…です」
結果はどうあれ双子の真心を汲んで頷いた。すると気難しくなっていた少年の顔が緩み、嬉しそうに一回頷く。だがその変化にキノンが眼を丸くしている間に彼はまた眉を寄せて双子へと視線を戻していた。
「二人とも背が届かないでしょう。お手伝いならよそでしなさい」
叱る口調だが幾分か音は柔らかく、顔を見合わせ無意味に両手を弄っていた双子はしばらくしてから大人しく頷く。それに首肯を返してロシウは掌をギミーとダリーに差し出した。
ぱ、と幼い顔が笑みに染まり左右の手に飛びつく。シーツを拾って、と頼むロシウに従って双子は開いた掌で彼等には重いシーツを抱き上げた。
「これ、洗い場に戻してきますね」
お手数をおかけしました、と丁寧に頭を下げられてキノンも慌てて頭を下げる。
「あ、よろしくお願いします」
上げるタイミングに迷っていると、相手もそうだったのかでは行ってきますと律儀な宣言が耳に滑り込んだ。見送るために顔を上げる。左右にギミーとダリーを連れたロシウがきびすを返すところだった。
血の繋がらない小さな双子の手を引く少年。
それを見た瞬間、キノンはどうしてか息を呑む。風を孕む洗濯物の音さえ忘れて立ちつくした彼女は、自分の胸に手を置いてゆっくりを息を吐いた。
どこかで見た光景であることにやっと気づき、それからごくりと喉を鳴らす。
…あれは、兄と自分たちだった。
バチカの村が焼かれた時にキノン達三人を連れて逃げたキタンも、ああやっていつもキノンやキヤル、時にはキヨウの手を引いた。
左右で騒ぐギミーとダリーに何事かを返すロシウの横顔に、幼い頃の兄の姿が重なる。
それで気がついたのだ。
あの頃自分にとって大きかった兄の背中が、本当は小さいものだったのだと。
キノンにとって今でさえ兄の背中は広く大きく、寄りかかって安心できるものだった。兄が居れば大丈夫、と本当は信じてはいけないはずの確信がどこかにある。
それに気がついてしまった彼女が思わず閉じた眼裏に一瞬、紅の布地が翻った。
胸が冷え、ばたばたと風に布地が揺れる音に思わず耳を手で覆う。
駄目だ、と思った。
洗濯物は好きだ。料理も好きだ。掃除だって大好きだ。
でもそれは、戦いから逃げているだけだ。守ってもらえるから逃げていようとしているだけだ。
唐突にやってきた自覚のきっかけは本当に些細で、瞬きの一回でも違えば起こらないはずのことだった。
それでももう無視は出来ない。ナキバシリに乗っていた頃でさえどこかにあった甘えを知ったキノンはぎゅっと掌を握る。
本当は戦いなんて嫌だ。逃げ回って平和に暮らせるのならばそれでも構わない。
でも兄は戦う、ならば兄の力になってその無事を守るための何かを自分もみつけなければいけないはずだった。
唇を噛み、それが自分に出来ることなのか自信がなくてキノンは俯く。
彼女が自分の脚で艦橋へと向かったのは、それから半日も経っていない時のことだった。
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