携帯捜査官、今週は非常に面白かったです。新キャラの性格も嫌みになりかねないところを良い感じのバランスにまとめてて個人的に好感触でした。ミスリードも味付けになってましたし。
ただ、正直こういうシリアスっぽい話をもっと前半戦に持ってきてくれてた方が構成からしたら見易いと思ったんですよ。
つまり、中途半端にキャラが立ってない状態でギャグやられてもどこが面白いのか判らないわけで、それだったら最初はガチシリアスを数話続けて立ち位置確保した上でそこを逆手に取って笑わせればいいわけで。
セブン達の技術力やべーよな、とは見てて思ってたけどそれの危険性を話の中で表現したのも遅かったし、そのせいで並立分散処理の話にクッションが無い。
ヤバいよってのを前提にしておいて、そこから盛り上げてくれた方が気分的には高揚するのになあと思います。
ギャグ編のシナリオだって、先に桐原が近親になってからやってたって良かったんだし。その方がむしろ桐原しばらく出番ねえなってのの説明がついたんじゃなかろうか。
以上、全て私見でありますが。
私見ついで。
絶対可憐はどう頑張っても全てのキャラが皆本氏の良さを越えられないっていうすごい構成なんですがあれ良いのかな。
いや視点として調整されてるせいで精神的な部分でチルドレンの分を補ってるところがあるから好感触多発になるのも当然なんですけど。
…それにしてもサンデーは男ヒロイン大好きだな。そういう病気なのかな。
雷句裁判じゃそれどころじゃないって感じですけどね!
WILDLIFEの時の例の話やらジャぱんのソレやらが真実味を帯びてきて読者としてはしょっぱいやらなんやら。
ユーザーとメーカーの距離が近くなるのは良くて悪いことですね。人間の倫理観は常に技術には追いつきませんから。
って、なんか三つくらいの話をごちゃまぜにしたな、自分の悪い癖です。
文章の方でも視点がしょっちゅうごちゃごちゃ入れ替わって、「誰」が主語なのか判りづらい内容になったり、思考の混乱が上手く描写できなくてキャラクタの一貫性が見えづらくなったりしてますよね。矯正せんとならんなあ…そう思って何年経ったかわからないけど…十年くらい前は風景描写をもっと強化せんと読んでくださってる方と想像が共有できんというので悩んでたなあ。
NHKが富野監督と水木御大の特集を同じ夜にやるという特別な日だったようですが、そうとも知らずに見過ごしました。
見過ごしつつ、特殊文章ショタニキに「ままならないのがお約束」の修正版を置き直しておきました。
この話、色々書きたいシーンはあるのですがその積み重ねに手間取っている感じです(めのこもそんなんね)。
前置きしないと落ち着かないタイプの文章書きなんです、遠回りで済みません。
純粋な更新ではなくて申し訳ない…
オマケ、某M様からアバンさんでということでリクエスト頂いていたんですが、ネタストック三種類が結合した結果訳の解らないものに…!
なにがしたいんだか本当によく解らない感じですが、多元宇宙からシモンさんたちが集まって会議中だよみたいな展開です。…面白味がここまで見いだせない文章もどうなの、オマケとはいえ…
つまるところは。担いだ長柄のドリルで肩を叩き、初老のシモンが話をまとめた。
「全ての可能性の海を泳ぎ渡るつもりなのか、あのシモンは」
若さを嘆くその声音に分厚い眼鏡を掛けた少年のシモンが頷く。
「たぶんそうなんだろうね」
緊張して小刻みに震える彼の肩を叩き踝まであるコートを揺らした青年のシモンは初老のシモンへ視線を向けた。
「貴方も多分見たんだろうけど…あの重力の黒い湖の中にあったじゃないか。無数のラガンが。あれと同じことだよ」
さもありなんと息を吐く老境の男の隣で片目の女が呟く。
「ここまでありとあらゆる世界が並立していれば、全ては確率論だ」
その場に居るありとあらゆるシモン達が彼女の言葉に同意を示した。この場に居る、ある程度要素の似通ったシモン達でさえ数えるには労を要する程にのぼる。むしろ無数の多元宇宙の中、あの選択をしたシモンが一人であったことこそ奇跡だった。
「…わから、ない…でも…な、い」
車椅子に体を預けたシモンが難儀そうに囁く。両目が妖しく明滅を繰り返しかつての激情を反芻した。
「失ったものを取り戻したいと誰でも考える」
その場の同調を代表して藍色の髪を長く伸ばしたシモンが俯く。強く握られた彼の掌を見下ろして、片目の女は空洞の目蓋を抑えた。
「でも、結局全てのものはこれから手に入れるしかない」
コートの青年が周囲を見回す。否定する声はなかった。
「問題は、」
初老の男は一応、議長代わりというところらしい。頭を掻きながら舌を鳴らす。
「奴が何を求めているかってことだ」
燦めきを持つも持たないも、全ての視線が肯定を示した。
「あいつの源泉は強烈な自己愛かね」
こちらは呟き、独り言の範疇だったものの老境の声を隣の少年が聞きつける。
「…どうだろう。愛してくれる人を探しているのかな」
惑う口調はおそらく彼にも覚えがあるからだ。そして敢えて答えなかった初老の男もまた、いつかは己が探していたことを自覚している。この場にどことなく奴への同調も滲むのは、やはり同じシモンだからだろうか。
「…"俺"だからこそ許せない」
それでも、長髪の青年は両手を打ち付けて宣言した。
「許してはいけない」
女の声が唱和する。守らなければならないものを抱えた顔は死すらも覚悟しているようだった。
「アンチスパイラルとは違う、あのシモンはただの滅びに成り下がっている」
淡々と認めた言葉が暗く広い室内に響く。決意を新たにしたシモン達が更に言葉を加えるよりも、だが間抜けた拍手の方が早かった。
ぱち、ぱち、と。緩い拍子に併せて靴音が響く。その場のシモン達に緊張が走るのとは対照的に、底抜けに明るくそして億劫そうな笑い声が上がった。
「よう、俺。ごきげんよう?」
冗談めかして告げる挨拶に若いシモンが色めき立つ。赤い襟で飾られた黒のコートを着た新たなシモンがそこに立っていた。愛おしそうに一本の刀を抱きしめてくつくつ笑う。無邪気に見える微笑みの底に絶望が埋まっていることを全てのシモンが理解した。
まるで劇役者のように片腕を上げて礼を取った彼は半月の笑いを浮かべて別のシモンたちを見回す。彼を滅びと断定したシモンをみつけた彼は、ゆったりとした足取りでその目の前まで歩を進めた。伸ばされた刀の鞘が、青年の細い顎に触れる。
「螺旋の一族を封印だなんてまだるっこしいこたぁ必要ねえ。
答えは簡単さ」
やはり笑ったまま反螺旋の愚かしさを蔑んで彼は愛おしそうに鞘を指先で撫でた。
「滅んじまえばいいんだよ」
その台詞にシモン達が色めき立つ。辛うじて螺旋力が暴発しなかったのは、老境の男が前へ進み出たからだった。それに応じて両目を螺旋の力に浸した狂人が振り返る。
「戦って戦って戦って戦って潰し合って食い合って最後の一人になっちまえばあとは死ぬのを待つだけだ。それでいいじゃねえか」
確信する声音に片目の女が眉を寄せる。
「…死を、救いだと?」
問いかけに答えは無かった。滅びと呼ばれるシモンは肯定はせず、しかし否定もしない。
「絶望を知らない兄貴が羨ましいか?」
揶揄する口調の老人に、ゆるりと刀が示された。
「兄貴は一緒さ。どこまでも」
引き戻した刀を抱きしめ夢見る口調でシモンは囁く。死すら二人を分かつまいとどこで確信したものか、だが行いは如実に自らの欠落を示していた。何かが足りないから、それを求めてどこまでも足掻くのだ。
だがその足掻きに巻き込まれて自らの世界を壊されたのではたまったものではない。それまで大人しくシモン達の陰に立っていた小柄な女が空の掌にコアドリルを生み出した。
今にも向かっていきそうな姿を認め、老人が細い肩を押さえる。何故、と問う双眸はまだ螺旋の力を溢れさせていなかった。
「お前の方が俺より若い」
告げられた制止の理由に女は一瞬眼を丸くして、それからどうにか頬を緩める。
「優しいんだな。ありがとう」
言いながら首を振り、女は薄い腹をするりと撫でた。一度伏せた瞳が再び鋭さを纏う。
「でもあの子たちの明日を奪おうとする者が居るのなら許せない。
それが“俺”であるのなら、尚更」
ぐ、と握りしめたコアドリルから翠の光が漏れた。
「あの子たちのためになら、俺は棄てた力でも拾い上げるよ」
睨む女をみつけた刀のシモンはニィ、と口端を上げる。獲物を見つけた獣の仕草だった。怯まずにいる女の周りにシモン達が力を貸すために集まる。
幕引きは、あっけなかった。
「ここはつまらない。“俺”しかいない」
それでは意味がない、と不満を漏らした刀のシモンが来たときと同じように姿をくらます。
「遊戯をしよう。
俺が全てを滅ぼすか、お前達が全てを守るか…」
反螺旋と誓ったのだろうと詰る口調が残った。
神出鬼没の滅びが残した宣戦布告にシモン達が苦々しく息を吐く。
その間にもどこかへ破滅が迫っていることを認識し、老境のシモンは螺旋の力をくゆらせた。
これ、コアドリル出してきてるシモンさん♀は多分前にアバンさんに暴行されてた人。
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