シモンというのは非常に判りづらいキャラクターなので、ある程度切り分けて考えないと自分にとっては難しいのですが、彼のドリルを文章という道具に置き換えて解釈してみたら多少判るような気はしてきました。ただ特殊な視点から、という意味でですけども。
カミナとシモンというのはヤンキーとオタクの友情だったんじゃないかなあと思うんですけど、つまりカミナはシモンがこつこつこそこそ書いてた小説をメチャクチャ面白ェ!と評価した人だったんだと思うんですよ。それまでがっさんごっそん一人で書きためてたのをたまたま見つけて、多少強引に読んで、こりゃお前才能あるよと言った人だった、と。
で燻って情熱のあったカミナが、お前これ外の人間にも読ませてみようぜ、絶対面白いって言う奴居るから!って言うんだけどシモンは原稿抱え込んだまま、見せる勇気が出ない。カミナはバンバン友達作って、で、シモンは面白い小説書いてるんだぜ!って言うけどやっぱり本人読ませる度胸が出ないし、周りも奪ってまで読もうとはしない。
リーロンはシモンの芸術家気質を見抜いてきっと良いもの書けるんでしょうねと思ってる。勉強家のロシウは、「文学」って言葉に共感を持って、自分に近い人なんじゃないかな?ってなんとなく思ってる。ヨーコはシモンが置き忘れてたページに目を通して、上手いのに隠すんだなあと思ってる。
で、引きずり出すだけ引きずり出してカミナは死んじゃう。シモンの文章読ませたいなあ、って思ってたんだけどそれが周りに充分伝わらないまんま、とにかくカミナは死んじゃって、みんな落ち込む。
シモンは落ち込むどころじゃなくて、訳が解らなくなって、でもやっぱりどうしても文字を書くことだけはやめられない。だってそれしか出来ないから、それがやっぱり自分の一部だから。
そこにニアがやってきて、シモンがくしゃくしゃに丸めてポイってした原稿を拾って、これとっても素敵ですよ、面白いですよってニコニコ笑う。シモンにとっては、カミナと同じく真っ直ぐ自分の文章を読んでくれた人。伝わった、っていうのが嬉しい。もっと読んで欲しい。読んで欲しいという欲求のまま、題材に選ぶのはやっぱりカミナ。だってシモンの中では一番影響が大きい人だから。
シモンはカミナの物語を書いて、書いて、書いて、書いて、それで仲間達の前にそれを積み上げる。シモンはカミナの言葉の体現者にはなれないけれど、表現者になれる。書ける、ということは理解しているということで、シモンの文章の中には確かにカミナがいて、仲間達はシモンの筆力と才能を認める。
で、シモンは書いて、まだ書いて、賞に応募して、良い線まで行く。町内の文学賞とるとか、そこそこ大きな賞の二次予選まで通過するとか。
でも大人になってみればその才能だって仕事の中で使える分野は狭くて、物語を書いていたはずの文字で今度はライティングの仕事してて、確かにそれは文章なんだけど自分の書きたいものとは違う。文字だけど違う、けど書いてないとご飯食べられないし、他の人の仕事も滞るし。友達だったロシウは大学まで同じだったけどあっちは一流企業に行って、こっちは小さな出版プロダクション、みたいな。考え方の齟齬も生まれて来ちゃって飯一緒に食ってても話がずれてくる。
でも蓄えもある、仕事もある、じゃあニア結婚しようかってなったところで会社が倒産してにっちもさっちも行かない感じに放り出されて、んで、シモンは貯金と失業者保険で飯食ってぼーっとしながら、ああやっぱり自分には文字書くしかないよなあって思う。んで一生懸命書いて書いて書いて、賞に出したら渾身の出来で大賞を獲りました!
でも人生そう上手くは行かなくて、小説書いてる間に籠もってたら色々犠牲にしちゃったものもありました、それでも彼は一世一代の文章で文壇に新風を巻き起こしたんですよ。
……とか、まあ、そんな風に置き換えてシモンを理解しようとしてみました、というお話でした。
なんだこりゃ。
拍手・コメントありがとうございます!心の励みです。
更新がメタメタな風情になっていて本当に…もう…目も当てられない状況で…と、取り敢えず今母上は風呂です。
そんなこんなでありますが、頂いたお言葉に返信させていただきましたので、お心当たりの方は右下よりご覧頂ければ幸いです。
>6月5日7時8分頃の方
身に余る言葉、光栄であります!
特に女体かは好き放題に書き散らしてしまっていまして、趣味に走って済みませんと申し上げたい所存です…楽しんで頂けているのなら本望なのですが…。
胃が痛い、とのことで、あんな展開にしてしまって心苦しさを感じております。
何故かしょんぼりした話になって…一応カミナとシモンの絆は強固だよ!という話になる予定ですので、どうか今しばらくご勘弁下さい。
取り敢えず、三部の部分に入ればカミナがアンチスパイラルに覚醒して、シモンはそれを取り戻すために死に物狂いに頑張ったり、ニアがラゼンガンに乗ったり、といった物語を書ければなと思っております。
更新速度が異常に遅くなっておりまして誠に申し訳ありませんが、今しばらくおつきあい頂ければ嬉しゅうございます。
コメント有り難うございました!
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