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飯は喰いたし、眠気は強し。 そんな感じののらくら雑記帳。
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Posted by - 2024.12.04,Wed
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Posted by 中の人:狐或いは右端 - 2000.10.15,Sun
ショタニキ派生で①の別オチ、バッドエンド?
でもこれはこれでショタニキを追い出せそうなのでシモンさん的には大成功なのかもしれないね。
さして色気はない。






なんでこうなったんだっけ。
自分の股ぐらで藍色の髪が揺れているのがどうにも現実的ではなくて、カミナは不明瞭な経緯を手繰ろうとする。だがそれを拒むように彼の分身が濡れたものでねっとりと擦り上げられた。耳に届く短く甘い吐息を自分の声が掻き消す。刺激に目尻を歪めた少年は舐められたってことかと己の性器の表面を這う感触に判断をつけた。そうこうしている間にもまだ機能を開花させて間もない男性器の先端がそれを包む粘膜に擦れる。
「んぐっ!」
思わず上げた呻き声に、カミナの股間へ伏せられていた頭が少しだけ上向いた。見上げる瞳が自分を映しているのに気付いてカミナは情けなさを滲ませる。しかし直後、彼の背骨を快楽ではない刺激が駆け上った。子供の性器が色の薄い唇を添わせながら吐き出された所為ではない。見慣れている筈の灰色の眼が、限りない闇を湛えていたからだ。
それが悪寒なのだと気付くと同時に唇からはみ出た赤い舌が指で支えられているカミナのものを舐め取る。既に鈴口に湧いた汁を飲み込んだ口が弓なりに笑みを浮かべた。それもまたカミナの眼が初めて映す類のものだ。育ちきらないなりに反応を見せている性器に顔と指を寄せたまま、凍り付いた子供の顔を見上げた男の喉がくつくつと鳴る。
「気持ちイイかぁ、カミナァ?」
粘ついた声音すらもう知らない人間のものに聞こえて思わずカミナは赤い瞳を閉ざした。しかし白い指はそれも許さずに最近剥き出されたばかりの場所を爪で引っ掻く。息を呑み見開いた瞳に、舌なめずりしながら視線を股間に据えているシモンが映った。
そうだ、シモンだ。間違いなくシモンだ。
肌を合わせている相手を確認して、それが紛れもない現実であるからこそカミナは自分の認識を信じたくなくなる。しかし手で作られた筒が少年の肉を包んで擦り上げ、事実を押しつけた。手の平に伝わる弾力を確かめ、指先がまだ色素の沈着もない亀頭を擦る。あぐらのように組んだ子供の脚が震えて今度こそシモンは声を上げて嗤った。
「イイのか?
 イイんだろ?
 イイんだよな!」
哄笑を織り交ぜ裏返った声が喚き立てる。答えは必要ないとでも告げるように竿を上下する手の動きが大きくなった。挙げ句根本に顔を寄せたシモンはぶら下がる嚢を舌でねぶる。眼を細めた貌はまるで菓子でも食んでいるかのようだった。作り物じみた表情を見せつけられ、下半身を占める熱と頭を穿つ冷たさにカミナの心臓は破れそうなほど暴れる。こういうこと、を、したがったのはカミナの方だがこれは確実に求めていたものと違った。だというのに言いたいことをまとめることも出来ないまま翻弄される子供へと甲高い声が叩きつけられる。
「誰だって気持ちイイこたぁ好きだもんな、仕方ねえよな、そうだろカミナ!」
問い掛け等ではなくどうしようもなく確信した声音だった。掛け違えボタンじみた科白に赤い目が歪む。子供の苦しみを無視した囚人はカミナの脚の付け根に唇を落とし音を立てて吸った。肌に残る赤い痕を指で擦り、ついでに生え揃ったばかりの毛を掻き混ぜる。その程度の刺激にすらびくびく震える体の中でカミナの逸物は一番顕著な反応を見せていた。稚拙な自慰とは質の違う技巧を注がれて今にも弾けそうになる。だが裏筋を掻いていた指は幹を滑り降り、根本を締め上げて最後の暴発を禁じてしまった。沸き上がる切羽詰まった衝動でカミナが咳き込むように息を吐く。それを見て、シモンは声を弾けさせた。
「だからお前だって俺とこういうことしたがんだろ、お前でさえ俺のことこういう目で見るんだろ、お前まで俺のこと犯したがるんだよな!?」
焼き付けられた諦念に背を押され、シモンは笑う。狂ったように笑う。泣き叫ぶ代わりに笑う。涙すら置き忘れ、慰み者になることにあまりにも慣れきった、青年と呼ぶにはどうしようもなく未成熟なままの体を抱えてシモンは笑い続けた。度重なる実験と投薬の果てにめっきり筋肉も削げ、色の白さも病的になった体が仰け反る。
眼に映る痛々しさに、しかし眼を背けることが出来ないカミナはようよう言葉を吐き出した。
「チ…ガウっ!」
必死な否定を口に出来たのも未だにシモンの指がカミナのものを戒めているお陰という有様ではあるが、少年は伸びた空色の髪をばさばさ揺らして声を張り上げる。
「俺がシモンとこういうことしてぇのは気持ちいいとか…ちょっとあるけど…そんなんじゃなくて!」
叫ぶ内に鼻と目の奥が痛んだ。だがどうにか我慢して大きく息を吸い込み、怒鳴るように告げる。
「シモンが好きだからだ!」
こんなに、邪魔なくらいに髪を伸ばしたのもこの色がシモンのお気に入りだったからだ。なにもかも、自分のためのものは全てを諦めたとシモンが言うならその空虚を自分が満たしたかった。できると思った。
なのに全然届いていない。肌が触れていてもシモンは気持ちを受け取っていない。悔しくて結局耐えきれず赤い眸を涙の膜が覆った。押し出す言葉が震える。
「好きだとすんだよっ…こういうこと…!
 大人のくせにんなことも知らねぇのかよ…!!」
俯くようになりながらも喚いた台詞で、薄暗いシモンの瞳がぎらついた。いつもは甘やかしたがりの青年が憎悪の片鱗を閃かせる。細い指に力が籠り、与えられた痛みに思わず上がった視線で子供はシモンの表情を捕えてしまった。口縁を引き攣らせたその顔が知らない相手に見えてさしものカミナも気概が磨り減る。五年共に暮らした相手ですら目を疑う激情も露わに、シモンの手がカミナのまだ子供らしい稜線を描く顎をひっ掴んだ。
「…ナマ言ってんじゃねえよクソガキ」
限りなく優しい保護者、だった筈の男が、穏やかな声と柔らかな言葉を載せるはずの唇が、澱を吐くように罵倒を吹き込む。濡れた瞳が見開く様を見届けもせず、反論を聞きたくもないと口を塞がれた。噛み付く強さで併せられた唇は悪罵を流し込むように舌を子供のそれに絡ませる。カミナより体温の低い器官は子供が知る由もない場所から快楽を掘り起こした。歯の付け根、頬の奥、上あご、舌の裏側。良いように撫で回されてままならない呼吸がカミナの頭へ更なる混乱を注いだ。顔を背けようにも顎を指で固められては叶わない。口付けを厭うように呻きが洩れた。溢れた唾液が紅潮した頬を伝う。その間も少年の性器は付け根を抑えられたまま剥き出しになっている粘膜を指で弄られ続けていた。腹の奥か頭の底かはたまた背骨の周辺か、どこともつかない場所で熱が暴れる。鼻から悲鳴を吐くカミナが遂に背筋すら操りきれなくなった頃、やっとシモンは彼自身が育て上げた少年から手を離した。
さんざっぱら弄ばれた舌は痺れてぽっかりと開いた口の中で痙攣する。まともに言を紡げなくなったカミナを見下ろし、シモンは己の手の甲で濡れた口端を拭った。
「見りゃあ解んだろうが俺ァ男なんだよバカにしてんのか」
果てることを禁じられるまま血を集めたカミナのものが痙攣を繰り返す。それを鼻で笑い、シモンはカミナから身体を離す。たかだか10センチにも満たないその距離は、そうだというのにまるで壁のように彼等の体温を隔てた。
散々カミナを弄くり倒したせいで汚れた手で、シモンは自分自身を抱きしめる。化け物から身を守るような仕草を見せた痩躯の青年は恨みに染まった瞳を見せたまま叫んだ。
「頼りにすりゃあ先に死ぬ!
 愛してみりゃあ捨てられる!
 守ってやりゃあ手を噛まれる!
 信じたところで裏切られる!」
神経を掻き乱すように甲高い声音は、とても落ち着きを取り戻せるとは思えない。狂人とも思わせる声を上げさせたのは自分だということくらいカミナも解っていた。シモンは抱き込んだ己の身体に爪を立てて肌を引っ掻いている。病人のように弱った肌からは早くも血が滲み始めていた。
「お前もそうかカミナ!お前もそうなるのかカミナァ!!」
俺は絶対そんなことにはならねえ。シモンのことを傷つけたりしねえ。
そうと告げるために開いた口が、更なる声に塗りつぶされる。笑い声としか言えない、しかし断じて笑い声ではないものを喉から迸らせたシモンが乱暴に立ち上がった。よろめきたたらを踏む身体を見上げたカミナの前に骨の造作を浮かせた足が降ろされる。すんなりとした脛は少年の腹の前を通り、そして足指が未だ勃起したままのものに触れた。先端から根本まで指と足裏で撫で下ろされ、主張する筈だった口が喘ぐ。
惹きつけのように背を揺らしたシモンの足が、勃つことを厭うようにカミナのものを踏みつけた。無理矢理に下向けられて少年の顔が痛みに引きつる。しかしいつもなら過保護なほどの反応を見せる男は声を踊らせるばかりだ。
「それともコレ潰そうか!男のお前を殺しちまうか!?
 そうすりゃこれ以上可愛くもねえガキにならないよなぁ、な、そうだろ!」
男じゃなけりゃあ俺を犯したり出来ないもんな。
身を守るための思いつきを口にしながらもぞろり指を動かして、言葉と裏腹にシモンはカミナの射精を促した。そもそもまだ悦楽に慣れていない身体は、まして望んだ相手から刺激を受けては耐えることなど出来もしない。単純に擦られるだけで吹き出た白濁がシモンの足を汚した。
熱を吐き、それが気力すら抜き出したのかカミナはがくりと首を折る。整わない息が肩を荒く上下させて閉じることもできない口から唾液が落ちた。それもまたシモンの足にかかる。
蠢く白い足指に絡んだ汚れが眼に映り、拭わなければと思った瞬間に視界から外れた。
「こちとら見せモンじゃねえってんだよっ…!」
押し殺した声が頭上から落ちる。語尾に啜り泣きが混じったことを聞き取って慌てて顔を上向けた。そしてそこにある表情を認めカミナは二の句が継げなくなる。
英雄でもなく。保護者でもなく。狂人でもなく。
ただ途方に暮れた、迷子がそこにいた。
大きな瞳いっぱいに涙を溜め込んで、それでもそれを零さないまま震える声が落ちてくる。
「…行けよ」
カミナの全てを断るように、シモンはカミナから離れた。引き留めようとしても向けられた背中の白さが拒絶する。
「行っちまえ。世界の果てにお前の居場所なんかねェんだ」
ぺたりと間抜けな音を立て、よろめく裸足が遠ざかった。痩せた身体が扉の向こうに消えてから、ようやっとカミナは声を取り戻す。
「…シモン」
呼んだ名は空しく空に溶けた。
俺は何を間違えた? 幼く愚かな子供は、一度は追いついた筈の背中を見失う。空っぽの手の内には繋いだはずの手の平の温もりすらも残っていなかった。
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